耐火木造ビル 見学!
これもあくまで仕事の一環として、行ってきたのですよ。
かなり楽しく充実した時間でした。
大阪市、南堀江駅から徒歩数分のところにある「大阪木材仲買共同組合」さんの、国内初の耐火木造オフィスビルを見学してきました。
木材の利用促進のためのモデルとして、竹中工務店の設計施工により、昨年3月に竣工したものです。
竹中工務店の36才の若き設計士さんが、こだわりにこだわった「作品」でした。
同組合の事務局長さまにご案内いただきながら、「36才の彼」が、このプロジェクトに夢中で取り組んだのであろうことが伝わってきました。
デザイン面でとことん!こだわってあり、設計事務所さん関係の見学が多いというのもうなずけます。
わたしの下手な写真をアップしておくのは、「あ、この写真ならホントに行ったのね」とわかってもらう程度の目的で(笑)。
建築デザインに興味ある方には、こちらのサイトがおすすめです。写真、美しいですよー。
http://www.hetgallery.com/mokuzai_nakagai_kaikan.html
上記のサイトは外観が多いようですので、建物の中を見たい!という方のために、記事の最後に見学時の写真をご紹介しておきます。ただし、撮影の質についてはご勘弁。あとは、想像してください(汗)
さて、デザインにも大変興味があるのですが、それ以上にここへ来ることが楽しみだったのは、「木造なのに耐火ビル」を実際に見るることができるからでした。
木造なのに、耐火。なぜ?
それは、「モエンウッド」と呼ばれている特別な構造をもつ集成材を使っているため。
建物の後ろ側や基礎部分はコンクリートを。梁や、柱にはモエンウッドを。内装には国産材が使われています。
(国産材!嬉しいな。北海道から九州まで(奈良県もありました)、全国からやってきた木材がこのビルの中でふんだんに使われています。)
モエンウッドは、1000度で1時間、実際にこの現場で耐火実験をしたそうです。
【左側】のものが、実験前のもの。芯になる集成材のまわりの四方をモルタルで囲んであります。それをさらに集成材で囲んだのが「モエンウッド」です。
【右側】のものが、これを耐火実験したもの。モルタルの外側の木材は焼け焦げていますが、モルタルが熱を吸収して芯の木材までは燃焼しないそうです。
無垢材への愛着は、もちろん、ありますけれども、耐火ビルを木造で…となると、
やはりこうした素材が必要になってくるのではと思います。
木材は、ちゃんと使ってちゃんと育てることで、資源としても持続可能なものになりますよね。
伐採するばかりで植林しなければ森は消えるし、使わなかったらお金がまわらず手入れもできなくなる。
このバランスを考えて、産業や消費の形が変化していくことを願っています。
それにしても、ほんとうに美しいビルでした。
竣工してちょうど約1年。これからメンテナンス次第で、どのように維持されていくのか、それもモデルケースになるといえそうです。
大阪木材仲買共同組合の大町事務局長さま、笑顔でやさしくご案内いただき、ありがとうございました。