ペレットストーブの季節。

2017年01月26日

このところ、冷え込んできたので、いつもよく行くぷろぼの食堂さんで
ペレットストーブがついていると、ほっとしますし、嬉しくなります。
近づいてもやけどしないくらいの、やさしい暖かさ。
内装が木造なので、部屋全体もひやっとしてなくて、心地いいのです。

ペレットストーブに関心を持ち始めたのは、
もともとは間伐材をペレットにしてはどうか、との考えに触れたことからでした。
いつも山の中をドライブしていると、
間伐された木が捨ててあるのをよく見かけます。
素人考えですが、素朴に、もったいないと感じます。
捨てられた木も、何年、何十年と、生きてきたので。。。
それがペレットになるとしたら、
わたしたちが、ペレットに関心を持つことで
山の整備に貢献できるのでは?と、思いました。

そこから聞こえてきたのは
取り出しにくい間伐材を出してくる経費がかかり採算が合わないから、原料が集まらない。
山の木は木材として高く売るためのもので、ペレットにするために育てているのではない。
わざわざペレットにする(加工するにもエネルギーや経費がかかる)より、薪やチップとしての利用が先。
ペレット工場を(税金の補助で)作っても、需要がなければ採算が合わない。
などなど。
現実的には、間伐材ではなく、山が開発(これもバブル時代にあちこちの山が削られるのを見てきたので、胸が痛みます)されるときや公園の整備の際に発生する廃棄物としての木、
あるいは製材会社から発生する廃棄物である「おがくず」が
ペレットの原料としては採算に合うとも聞きました。原価が無料に近いものでないと、ということですね。
山の整備からは、離れていきますが、廃棄物も資源に変わるという意味ではいいと思います。
また、木質バイオマスのことは、まだ試行錯誤の段階だと思うので、
後にひけなくなる大規模なプラントではなく
小さなプラントがたくさんできて、課題を見つけながら進んでいってほしいとも思っています。

(長くなりますが、最近気になっているので書いてみます。まとまるかは、自信がないですが)

そういうしているうちに、「木質バイオマス発電所」というものが増えつつあると知りました。
これはペレットどころではなく、大規模な施設です。

その前に、林野庁さんのHPから・・・なぜ木質バイオマスを使うのか?のおさらい

森林の適切な整備への寄与

森林は、国土の保全や水源のかん養などの様々な機能を持っています。森林がこれらの機能を十分に発揮するには、間伐や伐期を迎えた樹木を伐採するなどの適切な森林の整備が不可欠です。これらの森林整備などにより、年間約2,000万m3(推計値)発生している未利用間伐材等が燃料等として価値を持つことが出来れば、林業経営にも寄与し、森林整備の推進にも繋がることが期待されます。

山村地域の活性化

木質バイオマス、特に森林由来の間伐材など地域の未利用資源をエネルギーとして利用することで、資源の収集や運搬、バイオマスエネルギー供給施設や利用施設の管理・運営など、新しい産業と雇用が創られ、山村地域の活性化にも貢献します。

更に、現在、林野庁では木質バイオマスの新たな利用に繋がる技術の開発や実証を進めており、将来、森林資源を有する山村地域での新たな環境ビジネスの創造に向けた取り組みを実施しています。

数字の苦手なわたくしのことですので、そのあたりは差し引いて読んでくださいね。ポイントは、「年間2000万㎥」という未利用材です。
木質バイオマス発電所も、この未利用材を使って発電するもの。ただ、ペレットのときと同様に、取り出すのに手間がかかる未利用材が集まるか?という疑問が生まれます。これが解決されたのは、どうやら2012年に買い取り制度というものができたためなんですね。

状況が一変したきっかけは、2012年7月に始まった買い取り制度だった。同制度では未利用木材を使った電力の買い取り価格を、リサイクル木材の2.5倍に当たる1キロワット時当たり33.6円に設定。日本製紙八代工場の皆見健二・原材料課長は「買い取り価格と補助金、作業・搬出コストとの兼ね合いで判断したら、木質チップに加工できる未利用木材はかなり埋もれている」とみている。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD09069_Z01C13A2000000/?df=2

電気を作れば(リサイクル材等とくらべて)高く買い取ってもらえるから発電所をつくろう。ということかな。
税金も使われています。本来の需要と供給と相場のバランスがとれているわけではないような。。。

電力がいちばん非効率なのは熱源になることなのだそうですね。熱は、直接燃やしたほうがいいわけで、わざわざ電気を作って、その電気で暖房給湯等の熱源にするのは非効率なわけです(電力会社はオール電化!!とか、おっしゃっていますけど)。電気は熱源以外に使うことで、省エネになるはず。
木質バイオマスは、電気にしなくても熱源になるものです。だから、電気にするのはもったいないような気がしてなりません。

いやいや、木は余ってるんだから、使えばいいのだ、という根拠として出てくるのは「年間2000万㎥」なのです。
市場で高く売れない木も、発電所なら買ってくれる、となれば、せっせと運び出す人もあるそうですし、山村の活性化に一役買っている現実はあります。
ただ、この先を考えたとき、年間2000万㎥という木とはいえ、圧倒的なスピードで燃やす発電所で消費されていったとしたら、どうなるの??
(わからないのでどなたか学者さんにわかりやすく解説していただけないものかと)

さきほどの記事の続きです。
九州だけで年50万トン必要だそうです。(ここで、突然トンになる。さっきまでは㎥。こうして、わからなくなるわたし)

 杉の比重0.38だから、、、ええと。。。(各自お願いします)

 
だが未利用木材に注目が集まるのに比例して、供給不足に対する懸念も出てきている。例えば九州の場合、現時点で日本製紙八代工場のほか、計約十数カ所で木質バイオマス発電所の建設計画が浮上。少なくとも年50万トン以上の未利用木材が必要になる計算だ。

 一方で、一般的に木を大きく育てるための間伐は森林の20~25%分を切るが、伐採には5年程度間隔を空ける必要がある。現在、山間部でうち捨てられている未利用木材をすべて搬出できたとしても、新たな未利用木材の「発生」には一定の時間がかかることになる。

 さらに未利用木材を木質チップに加工するには、半年~1年間をかけて野ざらしにする必要がある。野ざらしで木材の含水量を50%から30%程度に下げないと、燃焼効率が大きく下がってしまうからだ。未利用木材を収集する作業員の高齢化に伴う人材不足も深刻な問題といえる。

 こうした状況から、近い将来に燃料の供給量が先細るのではないかという観測が強まり、発電事業を進める事業者間で木質チップの囲い込み競争が激しさを増している。不足分を補填するために遠方から木質チップを運搬することになれば、発電所の損益バランスが崩れ、事業が赤字となりかねない。採算性が見合うようになったことで、がぜん注目が集まった未利用木材だが、その人気の高さゆえに新たな問題が出てきたといえる。環境保全と採算性との間で最適なバランスを取るには、もう少し時間がかかりそうだ。

全国にどれくらいのバイオマス発電所があるのでしょう。
この資料が作成された2014年で、計画を含めると81件、

FIT以降の発電事業一覧

引用 https://www.nochuri.co.jp/report/pdf/n1406re1.pdf

ほんとうに?ほんとうに、全部動くんでしょうか。。。。

上記資料によると

未利用材の供給不足懸念は解消されないであろう。木質バイオマス発電所が燃料不足を解消するためには,
未利用材以外の材を使う以外に解決策はな
く,輸入チップやPKS(パームヤシ殻),もしくは製材や合板向けの国産材で代用されるであろう

本末転倒していきませんかしら???

参考 http://tsurusaki.jp/syahou/tsurusaki29.pdf

再び、素人の素朴な気持ちですが、、、
森林は地域によって事情も違うので、地域レベルで考えて経済を循環させながら
環境にも社会にもいい形を考えながら進むのがいいのではないかと。
国をあげて税金で誘導して強引に、、、っていうのは、合わないのではないかと。
やってみってからわかることが多いじゃないですか。。。(誰も責任をとりませんし)

地域であれば、住民が何を考えているのか(全国よりは)わかりやすく、
もし「これは違ったね」ということがあっても、影響が(国よりは)少なく修正できるような気がします。

(そのうえで、県を超えた交易があればいい)

そのためにも、わたしたちのことをわたしたちで考えて作っていこうよ、っていう
地域への愛情やポジティブな気持ちを大事にしたいなー。

森が健やかに未来へつながってほしいです。
奈良での木質バイオマス事情にも関心を持ちたいですし、それぞれ違う立場の人がどう考えているかを理解したい気持ちもあります。
そして最後は消費者の立場から、何にお金を使うかを選んでいきたいです。

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