牡蛎を養殖し、アマモを植えて蘇った里海。

2014年03月24日

里山カテゴリーですが、里海もこれに通じると思いますので、こちらに書きます。
たまたまテレビで見かけた内容がよかったので、忘れないうちにメモ。

瀬戸内海の漁村では、30年前、漁獲高が半分(だったか?)に減りました。
富栄養化が進み、赤潮(プランクトンの異常増殖)が発生したためでした。

この富栄養化した成分を、牡蛎を養殖と
アマモの種を蒔くことで
浄化できるとのこと。

たしかに、昔の川には貝がおびただしくいたといいます。
そして水と陸の境界に生える草とともに
水を浄化していました。
そこへ、ケタ違いに富栄養化された排水の流入と
コンクリートの三面張りによって
貝と草の生息地が潰れ、
川が汚れてしまうのです。

でも、人々はもう気づき始めたのですね。
いえ、早くから気づいて黙々と努力した人たちの答えが
出てきているのですね。

牡蛎を養殖して、牡蛎に仕事(牡蛎がプランクトンを食べる)してもらう。
牡蛎の養殖場も、小さな生き物の生息地になる。

岡山県日生(ひなせ)の漁師さんがアマモの種を海に蒔いて
海の小さな生き物が繁殖できる環境を、「人間が手を入れる」ことによって
作ろうとしました。
でも、汚れた海では、なかなかうまく行きませんでした。
それが、ここ数年でどんどん増えてきたというのです。
アマモというのは、稲科の植物で、稲の苗が伸びたような、
すーっとしたカタチの草です。

何年もの間、結果が出ないのに、
種を蒔き続けた漁師さんの
勘と信念に敬服します。

牡蛎の養殖場やアマモが茂る「海のゆりカゴ」の中で、
小さな生き物が生息し、
それを求めて小型の魚が集まり、
それを求めてより大型の魚や鳥が集まり、
最終的にはスナメリがやってきます。
番組では、野生のスナメリの存在を確認していました。
カブトガニの産卵も復活しました。
里山でも言われることですが、人間が手を加えると
いなくなったと思われていた生き物が復活するのですね。

里山、里海では
人間のポジティブな介入によってこそ、
健全な生態系が保持されます。

詳しく書いておられる方がありましたので
こちらのブログも紹介しておきますね。
NHKスペシャル『里海 SATOUMI 瀬戸内海』を観て

ああ、今シーズンはもう、牡蛎は終わりです。
来年は瀬戸内海で、牡蛎食べたいです。
この番組のことを思いだしながら。

大人たちが「昔はきれいだった」と言うのを聞いて育ちました。
これからは
大人たちが「昔は汚かった」と言う未来が
到来します。させましょう。

町に暮らすわたしたちにできること。
化学物質をできるだけ排水しない。
たとえば掃除は石鹸や重曹、クエン酸で。
食べ残しせず、必要なだけ食べて、ごみを流さない。
海と親しむ。美味しい海の幸を感謝して食べる。
(里海を守りたいというモチベーションアップ)

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