ダンボールコンポストを作ってみて、思ったこと。「消える」らしい。

2019年08月30日

思い立って、ダンボールコンポストを作ってみた。
8月は、微生物のことやベランダー栽培のことを考えたり試したりして、楽しい一ヶ月だった。

先日も書いたけど、改めて記録しておこう。

我が家は外食もよくやるため、毎日きっちりと野菜クズが発生するわけではない。
でも、その貴重な野菜クズは、いつもゴミ箱行きだった。
生ゴミリサイクルなんて、自分には無理!と思い込んでいた。

 

 

しかし、気になっていたことは確かだ。
燃えるゴミの3割が生ゴミで、その生ゴミの7割は水分で、その水分のために
焼却場では無駄に石油を消耗していること、温度が下がればダイオキシンの発生も(焼却の仕方にもよるらしいが)あること。
それはもったいない!馬鹿らしい。生ゴミは減らしたほうがいい。
 

 

もう一つ、生ゴミからはすぐにコバエが発生してしまう。
さっきも書いたように、野菜クズは少ないが、排水溝のゴミは毎日捨てる。
細かいネットをセットして、排水にゴミが流れないようにしているから
確実に生まれる。これを、軽く絞って捨てるものの、
乾かしてから捨てるほどの手前にはかけていなかった。
干しているうちに、コバエが来そうだし。
速やかに、ゴミ箱へ。しかし、ここでゴミの日まで2、3日が経過する。
夏の間は、うっかりすると、ここにコバエが発生する。ビニール袋に入れて縛っていても、蓋つきのゴミ箱であっても、コバエはやってくる。
そして、ゴミの日にゴミ袋の口をしばるときに、どうしても腐敗臭がする。
早く捨てよう。ゴミステーションに出してしまおう。そこから先は、、、、意識の外になる。
 

 

ダンボールコンポストについて調べているうちに、
これらが解決できると思った。
もう一つ、私を動かしたもの。ベランダ栽培をするには肥料が必要になること。
化学肥料を使ったら負けだ。
これを自分で作れたら、、、、最高だ。(まだ「作れる!」という自信がないところが現れています)
 

 

肥料の大切さを、ベランダの花が教えてくれた。
気のせいか?と思っていたのだが、ベランダの落ち葉やトリミングして切り取った枝葉を
使っていない植木鉢の土に混ぜては放置していたところに、花苗を植えてみると
同時に購入した同じ種類の花(別の鉢に植えたもの)と比べて、明らかに元気だった。
植木鉢がコンポストになっていたのではないかと思った私は、
肥料づくりへのモチベーションが生まれた。

 

水を箱買いしているのでダンボールはいつでもある。
その都度潰して資源ごみ用にストックするのだが、2個ほど、大切にとっておいた。
夫が捨てそうになるのを「待って!!!」と止めた。
一つは、蓋の部分を上に伸ばしてゴムテープで止める。このとき、5ミリ程度重ねて、上がすぼまるように止めるのが大事。
二つ目は、コンポストの蓋になる。底から適当な高さで切る。(残りは資源ごみ)これを逆さまにして、一つ目のダンボールに被せると、
すっぽりいく。重ね忘れたら、蓋にならない。
コンポストづくりのポイントは、心得てある。虫の侵入を防ぐことと、通気性を良くすることだ。
この条件さえ守れば、ダンボールでなくてもなんでもいいと思う。しかし、ダンボールが一番安くて(タダ!)手軽だ。
虫を防ぐためには、四隅をきっちりとガムテープでシールしておくこと。さらに、布でカバーする人が多いが、私はパスした。
様子を見て、必要と思えばやることにする。手数は少ないほうがいい。継続できることが優先だ。
通気性については、コンポストの下にすのこや台を敷く。うちはもともとすのこがあったから、ラッキー。
雨に当たると水分が多すぎことになって腐ったり虫が湧いたりするから、屋根のある場所に置く。
準備は上々だぞ。

 

さあ、次はホームセンターだ。
買うのは、ピートモスと籾殻くんたん。どちらもベランダ栽培で大変お世話になるものだ。
ピートモスは5リットル入り。籾殻くんたんは2リットル入り。
ラッキー、ちょうどいい比率になる。これを2個づつ買って、ダンボールコンポストに投入。さらさらしていて気持ちいい。
水を加えながら混ぜる。料理のようだ。せっかくのなので、水はHB101入りのものにしてみた。
カラカラに乾いたままでは、菌は動いてくれないらしい。
握ったら固まり、ほぐせば簡単に崩れる程度に湿らせる。これは畑の土と同じではないか。

 

よし、あとはいよいよ生ゴミ投入!
冷蔵庫の中で満を待していたタッパーの生ゴミ。自分を褒めてあげたい。
水っぽくならないように、あらかじめ米ぬかを入れておき、そこに野菜クズを入れていった。
このとき、細かく刻んで入れるのがいいと思う。野菜クズをコンポストの菌の力で分解するのが目的だから、最初から小さくしておくほうがいいに決まっている。
慣れないうちは、いつも通りゴミ箱へ入れそうになり、「おっと!」と引き返して、もう一度包丁を手にしてクズを刻んだ。それをタッパーに入れて、米ぬかと混ぜ混ぜ。全く料理する感覚だ。ゴミではない。これはゴミではない。これは、菌ちゃんの餌づくりなのだと実感する。
野菜クズだけでなく、排水溝のゴミも入れた。ゴミ箱へ行ってしまえば、汚くて最悪の代物だが、とれとれの状態であれば清潔で、汚いとは思わない。タッパーに入れても、米ぬかが水分を吸収するため、ズブズブにはならない。これはナイス。我が家のゴミ箱の方も、かなり清潔なものになるだろう。みんながこんなことをやれば、ゴミステーションも清潔だし、カラスもいたずらしにくいのではないだろうか。
こうしてコップ1杯程度の餌が、いい感じに出来上がっていた。

 

ダンボールコンポストの蓋をあける。籾殻くんたんとピートモスのブレンド(基材と呼ぶことにする)は、黒っぽい茶色をしてかしこまっている。
「野菜クズの米ぬか和え」を入れて、よくかき混ぜ、最終的には、野菜が見えないように基材を被せておくのが重要だ。見えていると、そこにコバエがくるかもしれないではないか。今日はここまで。もと通りに蓋をしながら、「果たしてこれで、いいのだろうか」という思いがよぎる。いや、これでいいのだ。次の野菜クズが貯まるまでには数日ある。その間、毎日、かき混ぜるということは頭に入っている。ダンボールコンポストは、好気性の菌に活躍してもらうため、嫌気性のEMとは勝手が違う。毎日混ぜて、空気に触れさせてあげることで菌が喜ぶらしい。混ぜますとも。大量の混ぜゴハンを作るような感じだ。下の方からしっかりと、ゴム手袋をした手でかき混ぜる。水分があるから、基材が舞い上がったりはしない。頼むよ。うまくいってくれ。

 

翌日、蓋を開けて匂いを嗅いでみた。甘くて美味しそうな匂いがした。これが生ゴミだったとは。清潔であり、菌を育てているかと思うと愛着も湧いてくる。
発酵が始まると温度が上がるらしいのだが、その気配はない。まだ1回しか投入していないのだから、そんなものかもしれなかった。
数日後、2回目の投入をするとき、最初の野菜クズが消えているとは言えないまでも、かなり目立たなくなっていると感じた。
生ゴミを堆肥化すると、ベランダに無限に堆肥が貯まるのではないかと心配していたことがある。それを払拭してくれたのは、生ゴミは消えるという事実を知ったから。菌によって発酵し、分解された生ゴミは、最終的には水と炭酸ガスに変わり、消えてしまう。確かに、森の中で死んだ動物の死骸は、消える。菌とは、なんてすごいんだろう。心配は無用なのだ。これから、ダンボールコンポストで菌を飼う生活が始まるかと思うと、楽しくなってくる。これは、続けられそうだ。

通りすがりの夫に「見て見て!匂いを嗅いでみて。臭くないから!」と、声をかけた。仕方なく鼻を近づけた夫は、「ふーん、森の匂いだね」と言った。
珍しく名言だ。なんて素晴らしいことを言うのだろう。森のコンポストの物語が始まった、と言うことにしておこう。

 

今後は、3ヶ月くらいこれを続けて(我が家は野菜クズの量が少ないからもう少しいけるかもしれない)、つまり11月ごろになったら投入をやめ、蓋をして3ヶ月、寝かせるらしい。冬に差し掛かるから、虫の心配は減りそうだ。
大事に発酵させていこう。それまでには、2代目のダンボールコンポストの準備もしておこう。2代目がいっぱいになる頃に、初代の発酵ができていたら、ちょうどいい。今度は、初代の基材を使って再び野菜クズを投入していく。これでローテーションだ。その基材を少し分けて、ベランダ栽培の肥料にするのだ。これでプロジェクトの完成となる。それまでに、今も粛々と、種を植えて芽ばえを楽しむ体験を重ねたり、水耕栽培をしたり、ペットボトル植木鉢の作り方を工夫したり、色々と楽しめる。

 

ダンボールコンポストは、畑や庭がないけれども、野菜や花を育ててみたい人に向いている。ただのゴミ処理と思ってやるのでは、きっと楽しくないだろう。
限られたスペースで栽培するには、ペットボトルが救世主となる。ペットボトルプランターであれば、プランター代無料で増やしていける。土も、自然栽培であれば毎年買い換える必要がない(はず)なので、最初は購入するが、それも安いものだ。

 

次の課題は、「ちゃんと収穫できるのか?」の段階になる。本来なら、自然が勝手に育ててくれるはずなのだが、飼い主がいい加減でスキルがないため、
色々とハードルがある。それらを乗り越えて(大げさだな)、初心者向きと言われる小松菜やラディッシュあたりから、達成していこうと思う。
わたしにも、できるのかしら?????

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