ペレットの勉強会に行ってきました

2014年06月24日

木質バイオマス、という言葉がこのごろ聞こえてくるようになりました。

昨日はその中でも、わたしが注目している木質ペレットに関する奈良県の会議があり、
オブザーバーとして参加の許可がでましたので
傾聴してきました。

木質バイオマス、こういうふうに言うときは、木質資源を木材利用として等でなく
俗にエネルギー源として扱うときに言っていますよね。

木のなかでも、いちばん利用されていないのが間伐材。
その他の場合は、残材であっても、わりとよく利用されているようです。
この間伐材が社会的に利用されなくなって、間伐しても赤字になるため、
放置されるようになって、それが進んできて、今があります。

(これをエネルギーにしてはどうでしょう、という、つまり
「赤字になるようなことを誰もしないよ!」ということをなんとかしたいという、
そういうチャレンジのために、日々関心をもって情報を吸収しているのです。
そして、奈良県で木質ペレットの実装実験が始まったというのが昨年の記事。)

最近、奈良県では木質バイオマス発電をしようという会社が現れましたそうです。
1万世帯くらいの電力をまかなえる発電をする計画とのこと。
これはこれで、うまくいきますようにと思いますが
発電にすると効率が30%に留まるそうで、ちょっともったいない気もします。

わたしたちが電力を使う理由のメインが
冬の暖房(25%)と、通年の温水(5%)なんだそうです。
この30%にも及ぶ「熱」目的のエネルギーを木質バイオマスから
直接取り入れるなら、その熱効率は80%とのことですので、
熱に関しては、これっていいと思いませんか?

だって、木→電力→熱 になるところを 木→熱 にするってことですよね。

では、熱目的としての木の利用を考えてみるに、
製造が比較的簡単
利用範囲が広い
取り扱いが用意
という点でおすすめなのが木質ペレットなのだそうです。

この三つの点について、ひとつずつ考えてみます。
Mくんの職場で実際にペレットストーブを使っているので
その経験もふまえながら。

【製造が比較的簡単】
何と比較しているのか厳密にはわかりませんが、先ほどの発電プラントですと
数十億という投資が必要。
ペレットの場合は、3000万くらいからプラントが作れるので
小規模に現地で作って現地で使う、ということができるんじゃないでしょうか。

【利用範囲が広い】
といっても熱利用目的ですから、ストーブやボイラーですね。
家庭から大型施設や農業施設、温泉など、という意味での広さかな?
(言葉が早すぎて、メモしきれませんでしたが)

【取り扱いが容易】
これは実感があります。
ペレットそのものも、薪ほどのスペースが必要でなく、
屋内に置いておけば湿ることもなく、
火の気に触れても引火しません。
(灯油だったら、怖いことです)
ストーブのメンテナンスも難しくないです。
灰もわずかで、薪ストーブのように毎日灰掃除ということはありません。
(灯油が値上がりしているため)ランニングコストも灯油より安い。

かつては、里山から燃料となる木を切って使っていた日本人。
まちの暮らしの中に、もう一度、木のエネルギーを生かすには
ペレットという選択肢は注目です。

その他の魅力もたくさん感じていますが、
長くなるのでまたの機会に。

デメリットをあえていうなら、
夏場は使わないのに、しまえないこと。(だからおしゃれなデザインのがいいなー)
初期費用が灯油ストーブよりも高額なこと。
低価格のもので20万円くらい、高額なものは70万円くらい。
個人的には、70万円はありえないのですが…20万から30万くらいなら、
他に使うよりペレットストーブに使いたいかなあと思います。
助成については奈良県の場合、家庭用ストーブへの助成はまだ整っていませんが、
木材利用ポイントの制度などもチェックです。
家庭で無理なら、Mくんのところのように、職場で取り入れてみてはいかがでしょう。

奈良県では、木質バイオマス(ペレット)について実証実験を重ねています。
そしていずれは民間に渡していきたいそうです。
これが奈良の未利用間伐材の価値化に繋がることを願います。
木質バイオマスは間伐材に限りません。
が、間伐材を利用することによってこそ、森を守ることができると思います。

そういう理由でストーブを選ぶ人などいない?
ただただ、安いのが一番?エアコンが一番?
そう、わたしだって、安いのがいいです。
でもね、イロイロなことはつながっていて、
調和がとれていなければ、どこかで問題が生まれるようになってます。
みんなで、地域のエネルギーを自給して、森を元気にできたら
それもまた、イロイロなことにつながっていくと思っています。
どうせお金を使うなら、いいつながりのために…。
そう思う人は、どこにでもいると思っています。

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