美しい場所で、田植えの後で食べて飲んで、いいんですか。

2019年06月13日

雑誌の編集をする中で出会い、個人的にも親しくなる人たちが出てきます。杉浦さんも、その一人。

編集部としての立場でなく阿南家として記しておくには、ここで(^^)
このブログは、どこにもリンクしておらず、我々につながりのある人や、全くの偶然でご訪問下さった方のために書いています。
友達に手紙を書くようなブログです。

杉浦さんは、御所市で野菜の無農薬栽培に取り組む農家です。
今年の「秋津穂の里プロジェクト」が6月9日から始まりました。
杉浦さんやプロジェクトについては、詳しくは、こちらを。

プロジェクトの現場は、これまた心が洗われるような美しい場所。
特に、大和盆地を見下ろした景色が絶景です。
香芝方面から五條にかけて、葛城山と金剛山がアベックのように聳えている山麓を道が通っています。
子どもたちが幼かった頃は、吉野へ遊びに行く度にに通った道。
恵古箱さん(葛城市にある素敵なお店)に通うために、再び訪れるようになった道。
杉浦さんが取り組む無農薬栽培米の田んぼは、この道の、さらに上にあります。

人気種「風の森」を取り扱う酒飲店さんや酒販店さんたちを通じて口コミで集まった人たちが、
無農薬米で栽培するための田植え、草刈り、稲刈りを手伝うこのイベントも3年目。この日は、第一弾の田植えです。
初年は30〜40人だった参加者は、昨年は70人台、今年は100名を超えました。

イベントを共に支える風の森酒造元油長酒造さんの社員さんたちも駆けつけています。
この中に、一人、顔見知りになった女性がいます。年々盛り上がっていますねと話しかけると
彼女いわく「周りの家の方も協力的で、、、杉浦さんのお人柄だと思います」との答え。
いえいえ、油長さんたちのお人柄も大いにあると思います。

人数が増えたので、一人当たりが植える田植えの距離はそれほど長くありません。まあ、楽勝です。
翌日、ちょっと筋肉痛になるかな?と言う程度。
手植えは、こんな生易しいものではありません。それが、機械でやればすぐできる。機械さまさまです。
でも、こうして本来の田植えを体験できることは、楽しくて、ありがたいこと。
しんどいはず田植えが、みんなでやるとスイスイ進んでいきます。

ネットからお借りました

結は、こうして結ばれていったのでしょう。

結とは労働力を対等に交換しあって田植え、稲刈りなど農の営みや住居など生活の営みを維持していくために共同作業をおこなうこと、もしくはそのための相互扶助組織のことをいう。社会基盤の維持にかかわるものは特に自普請ともよび、労力、資材、資金を提供しあう互助活動全体を指す。地縁にもとづく「近所付き合い」とみなすことも可能であり、古くは「十分の付き合い」や隣組も結の一種といえる。また、広義には無尽や消防団などは資金や災害対策の労役に限った結であるといえる。(ウィキ)

便利になるのは、ありがたいことであり、今の農業で手植えはあり得ないことと思います。
ですが、「人に頼らないと実現しない」と言う経験が減っていくことは、この農業から始まったようにも思います。
そして今再び、イベントを通して、「みんなでやるってすごい!」を実感しています。

田植えの後は、事前申し込みのあった方を対象に、ランチと風の森の振る舞いがありました。
信じられますか?田植えをしただけなのに。

食べて、飲んで、ジャンケンで勝ったら風の森のお土産までついて、いいんですか!!(嬉しすぎる、、、)

プロジェクトに関心のある方は 杉浦農園ガンバファームさままで。
https://www.facebook.com/sugifarm

こんなことが知れてしまったら、来年は、もっと人が集まるのではないでしょうか!!
スタッフの皆さま、今から申し上げます、お疲れ様です。もし、あれですよ、人数制限などがかかりましたら、わたしは次の方のために遠慮してもいいですよ。

しかし、もっと集まって欲しいとも思うのです。
田植えできる面積が増えるかも知れません。無農薬栽培作物に魅了される人が増えるかも知れません。

なぜなら、ここには、杉浦さんの「中山間地域の棚田を残したい、里山の自然を守りたい」という夢がかかっているからです。

杉浦さんはそのために たった一人で立ち上がった人です。

一人で、です。

「始まりは志ある一人」の、一人です。その一人から始まるチャレンジが花咲くには、共感する人、協力する人が重要です。
秋津穂の里プロジェクトに参加した人たちが、そんな人になっていって欲しいとわたしも願います。

高齢化が進んだ農業の現場では、無農薬無化学肥料という昔の日本の農家なら誰もがやっていたことが
もうできなくなっています(家族用の作物は別としても)。そして 土地に薬を撒くわけですから、土が元気を失っていきます。薬のほとんどは川に流れていきます。生態系が調和を失っていきます。でも、それがピンときませんね。

少し話がずれますが、水道水を直接飲みますか?今では浄水器をつけている人が多いのではないでしょうか。
本来の水は生水のままで美味しいはずです。それが不味くなって、浄水器をつけたら
いつの間にか ギリギリそのままでも飲めていた水道水が、決して飲めなくなっていたとしても、気づきにくくなりませんかしら?浄水器が良い悪いという話ではないのですが、ありのままとは何か?を知っておきたいと思いませんか。

「このままでは、嫌だ!」と考えて、自分にできる行動を起こした人からイノベーションが始まっていく。杉浦さんの活動に参加させていただくことで、わたしはその行動に「イエス」と答えたい。

そして、杉浦さんの「ような」人が、増えていくこと、また、それを応援する人、そんな食べ物を選ぶ人が増えて、そっちのほうが当たり前になっていくのが 欲しい未来です。

あまり、時間は残されていないと思いますが、、、、。

 

 

記念撮影
左 ジャンケンで風の森をゲットできて、平素のクジ運の悪さを一瞬忘れた参加者R
中 杉浦さん
右 参加者S

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