信楽へ。たぬきよりも、植木鉢よりも、食器を探しに。
信楽焼を買いに行ってきた。
「丸十窯」という窯のことを知人を通して聞いたことがあったからだ。
信楽焼は、たぬきが有名だ。わたしは関西の出身ではないせいもあってか、昔はたぬきくらいしか知らなかった。
でも、せっかく奈良に住んでいるのだから、ドライブで行ける範囲に陶芸の里があるのなら、行かないのはもったいない。
何度か行ったことがあるけれど、久しぶりに行ってみたくなったのは、「土」に対して意識が変わったからかもしれない。
あ、そういえば、朝ドラの「スカーレット」の舞台にもなっていたっけな。
土に対する意識の変化というのは、縄文好きになったことが関係していると思われる。
あんなにも多様な土器の文化を持っていたのに、少し脇に追いやられすぎではないか。
もっと土に親しむ暮らしをしたい。
食器は、間に合わせで買ったものが多かった。
惰性で使ってきた(それほど気に入っているわけではない)ものたちと
「気に入った」と自覚して買ったものたちをチェンジしてゆこう。
信楽焼は、越前焼(福井県越前町)、瀬戸焼(愛知県瀬戸市)、常滑焼(愛知県常滑市)、丹波立杭焼(兵庫県丹波篠山市)、備前焼(岡山県備前市)とともに、日本六古窯として2017年(平成29年)日本遺産に認定された(「日本六古窯」は、古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの産地)。時代とニーズの変化に合わせて、作るものを変えながら生き残ってきたけれど、やはり最盛期のようにはいかないらしい。
何事も栄枯盛衰はあるほうが自然だと思うけれど、焼き物にむく陶土に恵まれているのなら、それを生かした産業が栄えるほうがいいと思う。
江戸時代の信楽は茶壺や神具・仏具。明治に入ると火鉢。養蚕の盛んだった時代には「糸取鍋」。駅弁の全盛期には「汽車土瓶」。戦争中は陶製の手投げ弾や地雷も。
現在では、日用陶器のほか建築用タイル、陶板、タヌキやフクロウなどの置物、傘立て、庭園陶器、衛生陶器など。
わたしが期待するところでは、土鍋やテーブルウエア。(最盛期のような売れ方をするかどうか、わかんないけど)
我が家ではIHにしてしまったので、土鍋は使いにくいけれど、この頃、土鍋が恋しい。
この暑い季節に、鍋物がしたいわけではない。普通のお鍋として使うのだ。ご飯をたいたり、煮物をするには、土鍋がいいと思うようになった。
余熱調理ができて、熱エネルギーを節約できそうだし、美味しくできるらしい。
新しいデザインのものも出てきている。
新しい土鍋生活がもっと当たり前になったらいいな。
テーブルウエアとしては、お皿や茶碗。これはライバルがたくさんあるから、デザイン性の勝負になるんだろうな。
お皿や茶碗など、どんな家庭でもすでに事足りているものだけど、100均などを使うのをやめて、
地元(近隣の)産物の中からお気に入りを見つけて長く愛用するのがいいじゃないですか。
丸十窯は、売り上げが下がり気味の信楽焼をなんとかしようと
雑貨店への流通に活路を見出したと聞いている。きっとデザインが女子好みと思われる。
ネットで下調べをしたけれど、やはり実物を見ないとピンとこない。この機会に行ってみたかった。
信楽焼は、伝統的な独特の風合いのものを倉庫のような店内にずらりと並べて売っていることが多いけれど、
丸十窯は、カフェのような外観で、店内はギャラリーのようだった。
自分の好みは偏っていて、いつも同じようなものに目がいく。
しかし、今回のお目当ては皿である。
何を乗せても、まあまあご馳走風に見せてしまうためには、皿が肝心だ。
真っ白な皿ばかりでは、味気ない。柄物は、似合う料理が限られる。
ソースをかけた料理を運ぶとき、こぼれないように縁のあるものがいい。
そう思って探した。迷った末に、ブルーの20センチくらいの皿を選んだ。
愛用できそうだ。
マリメッコもいいけれど、信楽焼もね。
丸十製陶のサイト
(もう少し、写真が大きく表示されるといいと思います。実物の良さが、、、伝わりきってないのでもったいない)
帰りに、「倉庫のようなお店も、一応チェックしたい」と思って寄った店では
全商品半額だった。
窯からの直売は、産地ならではの楽しみ。
日本酒を楽しむための、おちょこも二つ。
おちょこは場所をとらないから、これからはいろいろと集めてみよう。
そして、ほぼ衝動買いだったけれど、スイカの蚊取り線香ホルダー。
スイカが食べたくなるような、美味しそうなホルダー。
我が家では、蚊取り線香が必須アイテムなのだが、
金鳥のパッケージに入っているものをそのまま使ってきた。
なんとかしたいと思っていたけど、ブタは違う、ブタは。。。。
あまり子どもっぽいものは置きたくないはずが、スイカが好きなので、買ってしまった。。。
早速、活躍してくれている。
スイカも、蚊取り線香の香りも、子どもの頃を思い出す。
夏が大好きだった。夏休み、という言葉も大好きだった。
セミの声、ラジオ体操、浮き輪とプールサイド、朝顔。
蚊取り線香ホルダーを見ながら思い出している。