明日は天皇杯
わたしは奈良からJリーグを目指すサッカーチーム、奈良クラブを応援しています。
2011年の春に試合観戦に誘われ(その時点では動員に協力というスタンスで)、競技場で生で観戦するという初めての経験をしたのがきっかけです。そのシーズンは、関西1部リーグで優勝してしまうという快挙を目の当たりにしました。
シーズン後、現監督兼ゼネラルマネージャーである矢部さんとの接点も生まれ、その思いに共感するところが多く、
これはほんとに応援しちゃおう!という気持ちになったのでした。
(監督から直接お話をうかがったときの文章を後日、ホームページのどこかにアップしようと思っています)
前置きが長くてすみませんが、今日はそんな奈良クラブに2013年シーズンの途中(8月)から、
突如として現れた、びっくりするキャラクターの岡山一成選手のことを記録しておきたいと思います。
8月20日、奈良クラブのHPにこんな記事がアップされました。
「岡山一成選手、新加入のお知らせ〔リンク)」
誰?この人…(サッカーのことは、あまり詳しくないんですよね)
でも、経歴を見れば、J1の選手。それも、豊富な試合経験を積んだ、すごい人。な、なんで、奈良クラブに???
その前後のこと、サポーターの方から、岡山選手のブログのことを教えてもらい、早速訪問しました。
そこには「マツくん〔リンク)」という記事がアップされていました。
マツくんとは、誰のことなのか、わかります。元日本代表で、イランから億のお誘いがあったのを断って、JFLの松本山雅に移籍した松田直樹さんのことです。
わたしはクラシコという映画を思いだしました。奈良クラブに関心が高まっていた頃のこと、矢部さんのブログでこの映画のことが紹介されていました。松本山雅が地域リーグ1部(現在の奈良クラブと同レベル)だった頃に、同県の AC長野パルセイロとの熱い関係を描いた映画。地元のお年寄りからさえも愛され、地域一丸となって応援されている松本山雅の姿と、近い将来の奈良クラブのイメージが重なり、この映画を自主上映してみたいという気持ちが高まりました。
そんなときは、実行力抜群のわがパートナー、Mくんに相談でした。Mくんから、奈良クラブサポーターのコールリーダーであるIさんに相談がもちかけられ、サポーター主催で自主上映会を行うことができました。そんなわけで、松本山雅という名前は、サッカー音痴なわたしでも強く印象に残っていましたので、その後、松田選手が周囲に驚かれながらも松本山雅からのオファーを受けて、「このチームをJに押し上げたい」と語っていた特番も興味を持って見ました。そして、その彼が、練習中に急死というニュースが流れたときは驚きましたが、それと同時に、どれだけ多くのサッカーファンが嘆き悲しんだかというショックの程が伝わってきて、松田選手の大きさをサッカー音痴でも充分に感じ取ることができました。
マツくんとの出会いと別れが綴られたそのページを(うるうるしながら)読みました。この人が、奈良クラブに来るの???
奈良クラブによる最初のお知らせから数日たつと、入団記者会見の記事がアップされました。(その時は会見の全文ではなく、ダイジェストな内容でしたが)そして、岡山選手が人呼んで「昇格請け負い人」であることを知り、「奈良クラブを地域リーグからJリーグに昇格させるために、今までの経験や知識を全て注ぎます」という言葉が載っているのををまじまじと読んだのでした。
今シーズンの奈良クラブは、期待されていた結果が出ずに苦しんでいました。そのなかでもがいているのが伝わってきていました。そこにきて、こんな力強く頼もしいことを堂々と表明してくれる選手がきてくれたとは…。なんだか、奈良クラブ、ぐらっと、何かが変わったなというのが感じられました。
8月25日。岡山選手の入団間もないタイミングで、天皇杯にむけてあと1勝という試合の日がきました。第18回奈良県サッカー選手権大会、決勝。これに勝利すれば天皇杯、ということでサポーターは今シーズンのもやもやした気持ちをこの試合の勝利で吹き飛ばしたいという気持ちだったと思います。天気はあいにくのドシャ降りの雨。
そのとき、サポーター席に、Tシャツ姿の(つまり今日の試合には出ない)選手がやってきたのです。一人は、若手の小林アキト選手、そして? あれ? この人は、岡山選手ではありませんか?
手に小型のメガホンを持って、コールリーダーの隣に進み出ると、サポーターたちに向かって叫ぶのです。
「奈良クラブをJにするために、来たぜーーーー!!!!」
噂にたがわぬパフォーマンス力。ぽかんとなった直後から、嬉しさが込み上げてきました。面白い人がやってきた。こんなふうにガンガンなのに、まわりがドン引きすることなく、空気で包みこんでしまえるなんて。
試合に出ている選手たちも、なんだかいつもより生き生きしているように感じられました。強い味方がやってきた。そんな心強さが、プレーにも表れていたのでしょうか(サッカー音痴の単なる主観ですけども…)。結果は4-0の勝利。天皇杯、出場決定です。ずぶ濡れになりながら、選手、チームスタッフ、サポーター……みんなで、優勝を祝い、喜びました。
さらに後日、記者会見の全文(リンク)がアップされ、続いて、岡山選手のブログには、奈良クラブへ入団する経緯(リンク)が綴られました。
あらためて、岡山選手は、「マツくん」の記事を書いた頃には、奈良クラブのことを考えてくれていて、マツくんと自分を重ねあわせ、ユニフォームを脱ぐまで、ここで戦うと思って入団してくれたことがわかります。
その岡山選手は、明日、いよいよ天皇杯の1回戦に、登場するそうです。相手は兵庫県代表の関西学院大学。(シニアアドバイザーに、かつて日本代表を率いた加茂周氏がいらっしゃるとか。そして今シーズンの得点ランキングでトップの呉屋選手がいらっしゃるとか。)強敵です。でも、これに勝利すると、J1の神戸と戦うチャンスが得られるとあって、わたしたちサポーターは、ぜひとも、それを見たいと願っていますので、どうしても明日は勝って欲しいのです。(まあ、どんな試合でも“どうしても勝って”と言ってるのですが)
場所は橿原公苑陸上競技場、キックオフは午後1時。
明日の試合が楽しみです。
関連記事紹介(外部サイト)
奈良クラブサポーターサイト http://ameblo.jp/naraclub/
マツくんはなぜ松本山雅FCに移籍したのか http://info.osimnodengon.com/?eid=478