自伐フォーラム。

2016年01月25日

自分で伐るから「自伐」。
それを林業のスタイルとするのが自伐型林業。
お知り合いが登壇されることもあり、最近気になる言葉なので、フォーラムに行ってきました。

林業に従事する予定はないのですが
森林の行く末にはいつも関心があるため、
その森林を管理される方々の考えかたや活動には
どうしても気が向くのです。。。

ここで、自伐型林業の定義を確認してみます。

自伐型林業とは、森林の経営や管理、施業を山林所有者や地域が自ら行う自立・自営型の林業だ。
限られた森林を、そこから離れず永続管理し、毎年持続的に収入を得ていく。
離れてしまった林業を地域に取り戻す手法である。

これは、奈良県では今まで普通にそうだったのではないだろうかと思えました。
山守制度が崩れるまでは。。。(今も、全く消えたわけではないようですが)

また、永続管理して毎年持続的に収入を得るのは
ドイツやスイスなどの林業にも通じるような気がしました。

わざわざ「自」という言葉を使わなければならないほど
林業は「自」ではなくなっているのだということを
認識させられました。

自伐型の反対語は「委託型」になるそうです。
委託された事業体は、「伐採」がメインで、
大規模化して大型林業機械を入れて、
とにかく伐って売るのだそうですよ・・・。

江戸時代や、明治時代、そして戦後、
日本の山は、何度か、はげ山になったと言います。
(吉野は戦後も木があったので空前の吉野好景気につながったとのこと※)
それとリンクして大災害が起こっています。
あの伊勢湾台風の被害も、戦後まだ山に木が育っていなかった状況と
関係があるそうです。
はげ山(&手入れされていない山)は、災害時にも恐ろしいことになりますし、
次世代の飲料水にも関係があると思いますし、
わたしたちも関係があることですよね。。。

林業は、やり方によっては山を破壊したりもすれば
守ったりもするのだと思います。
守り手としての林業家を応援したい。

自伐型林業は、(大規模林業に比べて)低予算で参入できるのが特徴ですが、
それには、「作業道」が必要です。
作業道があるから、高額なヘリコプター集材や
熟練の架線集材ができなくても、
チェーンソーで伐り、集荷用の機材で軽トラに積み込み、
自分で市場へ運び、売ることができます。

奈良には、この作業道づくりに30年をかけた林業家がいらっしゃいます。
この道は、山を痛めず自然の摂理を熟知して作られる美しい道です。

作業道と自伐型林業、
どこかで、何かで、ご紹介したいと思っています。