明日の奈良の森を考える、その手前に。

2017年03月29日

森の学習会、終わりました。
http://office-l-ink.com/archives/4307
一裏方として、ご来場くださった方、ご協力くださった方に
感謝いたします。ありがとうございました。

講演会には45名の方が、交流会には満席の40名の方が参加されました。
奈良県森林総合管理士(フォレスター)のみなさん、
林業のプロ、製材業社の方、学生さん、ライターさん、ソーシャルな活動をされている方など
多様な顔ぶれのみなさんがいらっしゃいました。

基調講演をお願いした藤森先生の近著に、

「そのために一研究者としてだけでなく、一市民の立場として日本の森林と林業のあり方をいろいろな立場の人たちとともに考えていかなければならないと考えるようになった。」

とありますが、森林や林業のあり方について
いろいろな立場の人たちとともに考えていくための
つながりをつくる場になっていければと思っています。

では、どんなあり方がいいと思いますか。

わたしは、藤森先生がおっしゃる通り「生態系にもとづく森林」となり、「持続可能な社会の基盤」となることを
願う一人です。

生態系はそれだけを学んでも奥深く、わたくしのような一市民の知識で追いつけるものではないと自覚していますが、
そんな一市民であっても、微生物から人間にいたる命のつながりを健全に循環させていけるかどうかが
これからを生きていく若い人たちや子どもたち(近未来の大人たち)の幸福に直接影響するということはひしひしと感じるのです。

どんな森が生態系にもどづくのか、これは調べるとある程度知識は得られます。
先ほどの藤森先生の近著はこちら
http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1526-9.html

では、現状の奈良の森はどうなっているのでしょう。
もし生態系にもとづかない部分があるとしたら
そこはどうゆうふうに変化していけばいいのでしょう。
もし生態系にもどづく技術や文化があるとしたら
そこはどういうふうに継承していったらいいのでしょう。
話を具体的に考えるほどに、見えにくいものに気づいていきます。
そこを、だんだんと、見ていけたらとも思うのです。
それも、専門家の人だけでなく、「いろいろな立場」でもって。

ですから、まだまだ学習しないとわからないことがたくさん。
そのための学習会でもあると思います。

経済的な成長を正義とするような、まるで信仰するような社会は
戦後の特殊な状態に過ぎないと思います。
経済は人が幸せに暮らすための、ひとつの大切なしくみであって、
農業や林業といった自然と共生する産業をないがしろにしていい理由にはなりません(と考えます)。
それを、もう何十年もないがしろにし続けてきたのですよね。
もう、変わっていきましょう。
農業、林業、オーガニックな食、家族や友と過ごす時間、自分で手がける創造、貢献の喜び、
そういうものを大切にする生きかた、働きかた、暮らしかたを目指しませんか。
そして、「なかなか、そうはいかない」という部分を
あきらめずに、一歩ずつでもいいから、自分にできることでいいから
それぞれが希望をもって、やっていきませんか。
(そう思わないと、一人ではできないことなんで  ^^)

持続可能な社会の基盤に森林があるのだと
切に訴えていらっしゃる方が藤森先生でした。

研究者の中にも、行政にたずさわる方の中にも、林業の現場にある方の中にも
一般の市民の中にも、基盤としての森林を大切に思う人がいるはずです。
そういう人たちが、コンセンサスをもって、孤立することなく
知識や情熱をシェアしあえるような学習会・交流会ができるよう
回を重ねていけたらと思っております。
裏方のほうで、頑張ります。

第二回の詳細が決まりましたら
インターネットやフライヤーなどでお知らせしますので
お時間があえば、会場でお会いできたらいいですね(^^)

PS コンセンサスの話はまた別項で。。。