その島の人たちは人の話をきかない

2017年05月03日

ドライブしているとき、ラジオの録音を聞かされます。
よく聞くのが、武田鉄也さんの三枚下ろし。

先日聞いたのが印象に残っていて、
メモしたくなりました。

その島の人たちは人の話をきかない

日本各地の自殺稀少地域を取材して書かれたものです。

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レビューの一例

精神科医である森川氏が全国5か所の「自殺で亡くなるひとが少ない地域」をめぐり、
それぞれ一週間前後ステイしたルポ。

住民の傾向として「ひとの話をきかない人が多い」のほか「右へならえを嫌う」
「赤い羽根などの共同募金の寄付率は低い」「あいさつ程度の付きあいが多い」などが挙がっている。

本書執筆のきっかけになったという岡檀著『生き心地の良い町』の共通点
つきあいは「立ち話程度」「あいさつ程度」と答えるひとたちが8割以上、「緊密」は16%程度。
一方で、自死の多い地域は「緊密」と回答するひとが約4割、というデータが重なる。

大事なのはここからで、
「生き心地のいい町」「自殺の少ない地域」の人々は
マイペースで気ままだけどクールではなく、
ゆるやかで絶妙な「もちつもたれつ」の関係が成り立っている。

たとえば森川氏がステイしたある町には
釣れた魚をおすそ分けし合う習慣がある。
「あげたい」と思った人が、あげたい人に勝手に届ける。

どこの家もカギがかかっていなくて
近所であいさつ程度の付きあいだったとしても、
突然の雨で洗濯物が外にほしてあったらとりこんであげる。

著者が突然の歯痛に襲われ、地域の歯医者が休みだった時
旅館の主人が82キロ離れた歯医者に車で連れて行ってくれた話も出てくる。

キーワードだと思ったのは
・ひととひとの関係は、疎で多
・見て見ぬふりができない
・困っている人がいたら、今、即、助ける。問題が解決するまでかかわる

温かな「淡交」を大切にしたい。

本を読んだのではなくて、ラジオを聴いた記憶ですので正確ではないかもです。
興味のある方は本をお読みくださいね。

徳島県のある町のことが面白くて。(レビューにも、この町のことが書いてあります)

人と人が緊密に親しいかというと、そうじゃないんですね。
自分は自分、なのに、困っている人のことはあたりまえに援助する。
プライバシーも何もないくらい、あけすけに何でも知れ渡るけど
「自分は自分」なので、人の話にそんなに興味がないのかもしれず、
だから知られたからと言って、どうってこともなさそうです。
親切ですし、人が困っていたら助けるのですが、恩着せがましくもなく、あたりまえな感じです。

(レビューにもある)魚をおすそわけするっていう地域の話。
普段は家に鍵をかけない(そんな地域、まだあるのですね)のですが、
留守にするときは、鍵をかけます。その理由に笑いました。
泥棒が入ると困るから、じゃなくて、
鍵をかけておかないと、留守の間、魚がどんどん溜まって腐るから、なんですって。

それとは別の地域でしたが、愚痴を言い合うほうが
互いの近況や困り事を情報共有できて、言うほうも気が晴れるので
「病は市に出せ」という習慣がある地域もありました。
愚痴を言うな、とか、よく聞きますけど、
愚痴を言うことでかえって自分に擦り込むのはよくないけど、
言い放ってすっきりするなら、それもいいのかもしれないですね。
愚痴を聞いたほうも、感情移入しすぎずに聞き流すのかなあ。
いい意味で、我慢なんか、しないんですね。

なんとなく、おおらか!!

おおらかって、大事だなー。

PS 奈良県も自殺は少ないと聞きました。神社やお寺など、祈りの場所がたくさんあるからではないか、とのこと。