100年住み続けたい地域

2017年05月07日

エルインクが編集に関わっている「さとびごころ」のキャッチフレーズは
100年住み続けたい奈良のための地域づくりマガジン。

100年住み続けたい、というのは「持続可能な」「幸せな」という意味とも言えます。
それは、「今」つくられつつあるはずのもの。
ただ100年時間が過ぎるだけでは、、、どうなのかな。(わたくしは生きてませんけど)

奈良に来てから、実家で生まれて家を出た年月をはるかに超えました。
奈良の空気、奈良の水、奈良の土がわたくしの細胞の中にとりこまれています。
県外出身者ではあっても、奈良の身体の人になっていることでしょう。

奈良は、とても恵まれた場所だと思います。
おそらく、ひとつには土壌が豊かだったのではと思うのです。
古代からお米が作られ続けてきました。
他県では、農地を開拓するために命がけの努力があった所もあります。
奈良では、あまり、、、そのようなことを聞きません。
(無知でしたらごめんなさい)
他県から移住され就農されている人が
「農家の家々が立派で、びっくりした」とおっしゃいました。
もともと沼地だった奈良盆地では、
それが土の豊かさになって農業を支えていたのではないでしょうか。
山でも感じます。
吉野林業という有名な林業地があるのも
保水、透湿性、栄養分、、、といった条件に恵まれていたことがあるそうです。

(その土が、、、放棄されたり開発されたりで 流されていくのは残念です)

戦後は産業構造が激変しましたが
それまでは、各時代、時代で「日本有数」の産業がたくさんありました。
経済的にも、豊かだったと思います。

災害も少ないです。
子どもたちは、休校に憧れていたくらい(^^)

なんとなく、がつがつしていない奈良の人たち。
長い長い伝統に育まれた豊かさがあるのではないでしょうか。

そんな奈良にふさわしい「100年住み続けたい地域づくり」とは、
先人からの贈り物である自然環境を、
もうこれ以上は悪くしないで、もっといい方向へ取り戻していくこと。
今までのような都市化一辺倒では、明るい未来を感じないと思いませんか。
東京や大阪にならなくてもいい。
奈良には奈良の、発展があっていい。
閉塞感を生んできた大きな経済システムに飲み込まれずに
自立した地域経済圏を増やして、地域でお金がまわるようにすること。
そのときは、環境調和型の事業が増えて
経済の活性が自然資産を取り崩さないこと。
そして、人々が、(自分を大切にしながらも)
少しだけ余力を他利にまわす、心のゆとりを持つこと。
その結果、自分自身の心まで豊かになる喜びが感じられること。

わたくしは、そんなふうに思っています。

自然にも人にもやさしい地域を、奈良から作っていくような
心意気を持ったら、、、目指す方向が見えてくるような気がします。
(奈良に限らずそれぞれの場所で、自分たちから作っていく、というふうになればいいと思います)

地域は、地理的な意味だけでなく
心の通じるコミュニティという意味でもあると思う。

人をけなしたり競争をしたりするよりも
むしろ どうすればお互いに幸せでいられるか
ひとつ違う次元からものを考えて取り組む人が増えたら。。。

そういうコミュニティのようなものが
さとびごころから生まれてほしい、、、
と、いうふうな、密かな思いを抱きながら
編集しています。
「100年」に続く今を探り、わかちあいたいと思います。

こんな人がいるよ、
こんな動きがあるよ、
ということがありましたら
ぜひ教えてくださいね。