ラグビーワールドカップがもうすぐ。ノーサイドゲームを見て、予習中。

2019年09月03日

奈良県には、天理高校と御所実業高校というラグビーの強豪校がある。

 
天理高校は、柔道、ブラスバンド、サッカーと何でも強いイメージがあるが
御所実業は、ラグビーの印象が強い。
 

御所実業がプロを輩出するような強豪校と知ったのは、近年のことで、奈良県民として不勉強だった。
どうしても天理に勝ちたい、という思いから立ち上がったチーム。ある年、生徒が練習中に亡くなってしまい、
監督は責任を感じて廃部しようとしたが、保護者から「辞めないで欲しい」という声を受けて、再起されたと聞く。
毎年、「今年はどちらが全国大会へ?」と思うほど、奈良県の2強だ。
御所実業が全国大会に出た時は、花園まで応援に行ったりした。ルールはよくわからなかったが、
御所実業の選手が頑張っているところを見られるのは嬉しかった。
 

一方の天理高校。うちが親しくさせていただいている天理市の登酒店の社長が、天理高校出身のラガーマンだったことで
さらにラグビーに親近感が湧いた。天理高校が全国大会に出た年は、社長と一緒に花園へ行った。
今度は天理の応援だ。
もともと、前に向かってパスしてはいけないくらいは知っていたが、
やっと、(サッカーと違って)フォワードががっつり系、バックスが俊足系であることくらいはわかるようになった。
 

そういえば、夫の同級生は、大工大付属高校(現在の常翔学園高校)の監督だということは
いつも聞かされていた。こちらも全国優勝を目指す強豪校として有名で、高校時代は応援に行ったという。
「ラグビーは実力差があると、100対0くらいの差が出るよ。ノガミ(夫の同級生)が走りながら相手を手で払うと、次々と倒れて手も足も出ない」というのをよく聞いた。

 
登社長のラグビー愛は深く、日本のラグビー界の要人とも接点があるそうだ。(名前を聞いても、覚えられないのだが)
今でも OBで40歳以上のチームを作っていて、流石にプレーはしないそうだが、試合にはいつも参加しているらしい。
「ラグビーの先輩後輩は、一生続くんだよ。社会人になってからの立場がどうであれ、先輩は先輩、後輩は後輩なんだ」という。
その繋がりは、いくつになっても助け合う関係が続くようだ。
若い頃に頑張ったことで、一生に付き合いになるのは羨ましいと思う。(若い頃、頑張っていなかった証拠)

 
そうこうしているうちに、テレビでは「ノーサイドゲーム」というドラマが始まった。大泉洋が好きなので、たまたま見たら、面白い。
有名企業のサラリーマンとしての悲哀。弱小企業チームの優勝をかけた挑戦。悪役の暗躍。理解ある社長。
ヒーローと悪役がはっきり分かれていて、(わかりやすすぎるほどに)わかりやすい。(わかりやすさって、大事なんだろうな)

 
エリート幹部だった主人公は、社内の政争に破れて左遷された先で、万年降格の危機を行き来するラグビーチームのGMをやらされる。
そこから、主人公は本社復帰をかけて、チームは優勝を目指して、熱いドラマが始まるのだ。
ラグビーを知らない主人公に、チームの誰かがラグビーとは?を教えるシーンも度々ある。
視聴者にも教えるという意図があるのだろう。おかげで、少し理解が進んだ。
ストーリーには、いつもハラハラさせられたり、焦らされたり、胸のすく思いがしたりして、まんまとハマった。
(池井戸潤原作のドラマはいつも癖になる。陸王、下町ロケット、半沢直樹シリーズ、ルーズヴェルトゲーム。。。)
明らかに、ラグビーワールドカップを意識したタイミングで放映されている。
「登さんもご覧になっていますか」と聞くと、やっぱり見ているらしい。

 

「あのドラマは、現実そのまんまの部分がかなりあるよ」
「あの中には、本物のラグビー選手がいる。その他の役者も、ラグビー経験のあるやつを集めたのさ。中には、出演が決まって再び体を作ったやつもいるよ」
 とのことだった。

 

そう思うと、さらに面白い。日本ラグビーフットボール協会に対して、チクリとした内容もあるからだ。
人間というのは権力や権威を持つと、横柄になりがちだ。残念ながら、スポーツ界にもあるのだろう。

 

ラグビーワールドカップ2019日本大会は、今月20日から。
日本はベスト8入りを目標としている。
弱小だった日本のラグビー。ワールドカップを目指して強化を図り、ここまできた。
すでに引退した五郎丸氏の活躍も、ラグビーへの関心を高めた。
まだまだ、他のスポーツに比べたらファンが少ないかもしれないが、今年は少しラグビーにも関心を持ってみよう。

 

目指す、チャレンジする、努力する、負ける、勝つ。

 

私は、日常では 戦うということを好まないけど、自分の弱さとは毎日戦っている。
負けそうになる時、スポーツ選手の 精神力に いつも学ばされる。
敵が憎いのではなく、勝利への挑戦。そのために自分を鍛えるプロセス。
日本の武道は、「道」という名がつく。柔道、剣道、合気道、弓道。
西洋からやってきたスポーツも、日本人が取り組むと「道」に見えてくる。
ラグビーなら、ラグビー道だ。
誰でも、何かを目指したい。だけど、諦めざるを得ないこともある。
そのかわり、一つ諦めても、きっとまた一つ挑戦できるものがある。
その繰り返しの中で、自分が磨かれていく。
道をゆく、ということはそういうことなんだろう。