書くようになったきっかけ。朝焼けを見たから。

2021年03月03日

朝焼け

自宅の2階、西に窓、東にベランダのある自分の部屋は、
小学3年生の頃に新築された、待ち焦がれた部屋だったのに
実際には広すぎてなかなかなじめず、居間にばかりいました。
夜、自分の部屋で寝るのが怖かった。

 

それが、中学生になったばかりの頃。
夜更かしを覚え、朝が苦手になっていったはずなのに
ある日の晴れた朝のこと、どうやら早起きしたらしく(記憶あいまい)
わたしは東のベランダに向いた学習机の椅子に座っていました。
すると、です。

 

窓のむこうから
まばゆい光が差してきて、
何かと思ったら朝焼けでした。
 

「こんなにきれいだったかしら」
 

部屋全体が急に日当たりがよくなったように
照らされて。
 

感動してしまったんですね。
それで、このままではいられない気持ちになり
手元にあったノートを開いて
同じく手元にあった色鉛筆で(色鉛筆はいつでも揃えてましたもので)
意味不明に色を殴り描くように塗りました。
黄色、赤、オレンジ。
 

さっき見た輝きを再現することはできないにしても
何か残しておきたい衝動にかられました。
 

この日を境に
わたしは「今その時の気持ち」を
ノートに書き残す「習性」がついてしまいました。
 

国語の宿題の作文はあまりわくわくしませんでしたが
「感じたこと」をその瞬間に、逃げないうちに
なにか記録しておく、ということを
しないわけにはいかない、というふうになり
毎日書くようになり、書きながら考えるようになりました。
 

よく、ほら、考えるためには書きましょうなんて
いろんなところで言われてますよね。
A4の紙がいいとか。
ポストイットがいいとか。
捨てるはずの紙の裏がいいとか。
なんでもいいと思います。
 

書くというのは、自分の顔を鏡に映すのにも似ていて。
 

「残念ながらあまり美人じゃないね」
ということも見せてくれますが(^^;)、
もやもやっとした形のないものを
少なくとも 言葉 というものには落とし込める。
 

うまく落とし込めなかったら
「なん、、、て、言ったらいいかなーーー!!!」というふうに
どうにかして言い表したくなる。
それをもとに、また次のことを思うことができる。
 

自分だけが知っている日記のようなその書き物は
絶対に秘密でした。誰にも読まれたくない。
悩み事もすべてノートに。
苦しいときも、書いていると少し楽になる気がしてました。
書くというのはヒーリング効果もあると思いますよ。
(書くのが嫌いな人は無理に書く必要はないです)
 

人に読んでもらうための「書く」ではありませんでしたが、
その日から突然、(突然というのが自分でも不思議なんですが)
呼吸をするように書くようになったことは
今でも記憶に残っています。
 

後に、ひらめいたこと、感動したことを
他の人にも伝えたくなる時がやってきました。
書くことが苦にならないから、「書く」を通じて
何か伝えたくなったのだろうと思います(今思えば)。
けれども、詩人になりたいとか
小説家になりたい等とは思っていないんですね。
わたしがイメージしていたのは
企画が人と人をつなぐ感覚でした。
 

あの朝焼けを見たときの
「感動!!!」のようなものを、
一人で胸にしまっておくより、伝えることができれば
他の誰かもきっと、感動するだろうし、嬉しくなるだろうと思えました。