不耕起、無施肥で野菜を育てられるだろうか。

2021年07月18日

野菜づくりを始めたとき、農薬と化学肥料は使わず有機栽培をしたいと思っていました。
けれども実は、自然栽培と呼ばれる 「耕さない」「肥料を施さない」作り方のことも頭の隅にありました。
ただし、かなり難しいことのように思え、まずは有機栽培を経験しつつ、知識を蓄えようと考えました。

これまでも、「藁一本の革命」や「奇跡のりんご」、奈良では川口農園のこと、最近では菌ちゃん先生こと吉田俊道さん、
岡本よりたかさん、その他ユーチューバのみなさんなどに関心を持ってきましたが、実際にやれるか?となると自信がなかったのです。

今年はまず、草を刈ったら土の上に乗せること、草を集めて堆肥化することに挑戦。

夏は雑草の草刈りが大変です。3日もたてば、次々と元どおりに生えてくる。
土から栄養分をもらって地上に伸びる草を土に戻すことで、肥料になるなら、なんて合理的なんだろう。
今、そんなふうに感じています。
やっかいな雑草が、ありがたいものに変わるのは楽しい。

先ほど名前の出た 岡本よりたかさんの投稿に共感したので、メモしておこう。

「地下茎」
畑に生えてくると実に厄介な草がある。
スギナ、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、ドクダミ。これらは地下茎という根を張り、刈っても刈っても出てくる。
地下茎とは、根を地中で横に伸ばしていく植物であり、その根はネットワーク回線のように複雑な網目状の形をしている。
地上部の草を刈っても、刈った刺激を合図に根からすぐに発芽して再生してくるし、アレロパシーと言われる化学物質を分泌して、他の植物の生育を阻害するから、野菜も育たず、実に厄介なのである。

 

しかし、野草に詳しい人ならすぐに分かると思うが、どの草も、人の健康に役立つ薬草ばかりであるのも間違いない。
スギナ茶やヨモギ茶はミネラル豊富だし、ドクダミは毒出し、セイタカアワダチソウとてアトピーに良いとされて、お風呂に利用したりする。
畑では嫌われ者だが、人の役に立つ草。外側から見る厄介な雑草という印象と、実際の効能は必ずしも一致しない。
人に役に立つということは、もちろん土にも、あるいは自然や環境にも当然役に立つ草であることが多い。
どう役に立つが簡単に説明してみる。

 

畑を耕運すると草が無くなる。草がないと土が痩せてくるため、自然界では間髪おかずに草が芽吹き始める。そうしないと生物が生きていく環境が作れず、草があるからこそ地球はこれまで生命を育んできた。

 

この時最初に生えてくる草に地下茎が多い。雨が降ると水の地下への浸透によって、ミネラル、特にカルシウムやマグネシウムという微量元素が地下水へと消えていく。
これを防ぐのが地下茎。地下茎は沈みゆくミネラルをネットワークのような根でキャッチし、地表面へと草として押し上げる。そして種を着け、草は枯れて地上に落ちる。
落ちた草は虫や微生物の働きで分解し、土壌中に腐植という形で留まることになる。腐植化したミネラルは雨の浸透による流亡が起きにくくなるのである。
そして、そのミネラルを利用して次々と草が生えてきて、裸になった土は見事な草原や森に戻っていく。

 

確かに畑は草原や森に戻したくないので、そういった草は厄介かもしれない。しかし、僕らのような無肥料で野菜を作る者にとっては、このミネラルを土壌に留めてくれる草というのは、実に有難い存在なのである。
地下茎の草を生やしたままにすれば、残念ながら野菜は育たないので、もちろん僕らでも刈り取るのだけど、刈り取った草は敷草として利用し、土に戻していくことで土の肥沃化を図るわけである。

 

見方によっては、厄介な草が利用価値の高い草へと変化する。この両面性は、無肥料栽培をするまでは知らなかった。全てが悪とは限らず、物事の視野は広く持たなくてはならないのだろう。
だからこそ無肥料栽培はやめられない(笑)。

 

さて、それを見て、僕は自分は何かの役に立っているのかと考えるキッカケとなった。
自分がここに生まれてきたことの意味を考え、一体自分は何の役に立つのだろうかと自問自答し、小さくてもいいから、何か役に立つことを一つやってみようと心に決めたのである。

 

潰されても、何度も何度も立ち上がる。もし厄介な人と思われたとしても、世の中を豊かにするために必要な人であるならば、そのことに気づいた人からは必ず重宝されることだろう。
つまり、人は二面性を持っていてもいいのだと思う。

有機肥料を使うゾーン、使わないゾーンを両方作り、経験してみようと思います。

わたしたちがいつか自然栽培できるようになったら?そりゃあもう、誰でもできることを意味します。
そうなったら、興味のある人にはどんどん教えてあげたい。
きっと、わたしたちと同じようにつまづき、同じように感動すると思う。
そんな夢を抱いて、もっと畑活上手を目指します。