BASIN TOWN は変わった。

2015年01月13日

うちの長男Rが、インディペンデントなミュージシャン活動をしていますが、
親として「どうなん?」という時代を経て、
今は「やるならやりなさい」というスタンスで応援しています。
これは親しい皆さんはご存知の通りです。

これは実験です。
「やるならやりなさい」と言った場合、どうなるか?
という実験です。
実験なので、失敗するかもしれませんが、
それはそれで、そのときは後世の人の材料になればいいと思っています。

さて、

その活動のひとつに、奈良ネバーランドというライブハウスで
自主企画している「BASIN TOWN」というイベントがあります。
もともとの話をすると、管を巻きますので省きまして、
年間3回くらいやっており、次の3月で12回目です。
(おー、ずいぶん続いていると再認識)
「歌のある音楽を奈良に」「誰でもがいけるライブ」というコンセプトのもと、
激しすぎるもの、好みが分かれ過ぎるものを少し抑えて
出演者のブッキングや、セットリストにも配慮して
「うたもの」と言われる親しみやすいものを選んでいます。

昨年の4月あたりから、これがさらに、がらっと趣向が変わりました。
室内を楽しげに飾り付け、ライブハウス内に飲食ブースをつくり、
おもてなしの気配りに力を入れました。
すると、奈良の学生さんたちが面白がって手伝ってくれるようになり、
今ではスタッフさんだけで20名くらになっているそうです。

BASIN TOWNを見ていて思うのは
これは、Rの実験なのかなということです。
音楽をする、というと、メジャーデビューがゴールのように
思いがちですし、実際、それで成功を収めた人が
認められるというのはまぎれもないことです。が
特殊な世界であり、一般からは見えない部分が多い業界でもあります。
そこへ打って出る、ということも一つの挑戦です。
ですが、残念ながらチャンスを得られない場合もあります。

普通は、その場合は、ある程度の年齢になると
生活のことがあるため、音楽活動をやめるときがきます。
頑張っていると思っていたバンドが解散…よく聞くことです。

Rも、そのように音楽をやめてもいい頃ですが、やめません。
個人事業として、音楽を作り、ライブをし、音源をリリースする活動を
選びました。そこには、「どうしたらいいのか」まだ不明確な部分も含まれているようですが
行動しながら頭をうちながら、手探りで進んできました。
足りない収入を副業でまかないつつ。

その中で、「これはやってよかった」と思えることのひとつが
BASIN TOWNです。(他にもあるかもしれませんが、全部を知らないもので)

「ある特定のスターに会うための非日常」という場ではないのですが、
Rを好きになってくれた人たちやBASIN TOWNというイベントの空気感を
好きになってくれた人たちが少しつづ増えていっているように思えます。
まだ大きなことにはなっていませんが、これからも育っていくイベントでは
ないかと思います。

街角で聞こえてくる歌、テレビやラジオから流れる歌、
わたしたちは公共放送で音楽に出合うことが多いものです。
市民権を得た歌は一般の人たちに歌われ親しまれ
「歌は世につれ」が形成されていきます。

それとは別に、ライブハウスから生まれた音楽が
CDといっしょにその人の家にやってきて、
車の中やパソコンの前で再生され、
日常でハナウタになっていく…ということが
Rの活動からは見えてきます。

小さな小さな売り上げが、
それでも小さなミュージシャンの活動を支えています。

人の心にとどき、元気づけたり癒したりする。
音楽の使命はたったそれだけです。

その原点にたったとき、インディペンデントな活動で
使命を果たすということも、もしかしたら有りうるのかな、と思います。

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