たたらと森と水。

2017年03月02日

帰省して奈良に戻るため、出雲の駅で特急やくも号に載ると、
座席にJR西日本発行の観光パンフレットが置いてありました。
「グッとくる山陰」っていうんですね。

(わたしはここで先日、「グッとくるっていう言葉もみうらじゅんなんですよー」と聞いたのを思いだしたりしました)

目を引いたのは、「たたらの恩恵に浴する」という特集タイトル。

たたらのことは、少しずつ、少しずつ、わたしに近づいてきました。
最初はさりげなく、自然に目にとまるかたちで。
ジブリの映画のワンシーンとして。

次は、夫が読んでいた小説の中で、
作中の人物が鋼を求めて出雲へ出向くというシーンがあるのを知り。

「そんなに有名だったのか」と。

最後は、松江市内のレストランで持ち帰った
豪華なフリーペーパー
たたらの聖地、雲南特集であったこと。
そこに、なんとなく知っていた「菅谷高殿」のことが
詳しく紹介されていました。
ここで、読めます。
http://jp32.jp/dbook/dbook_jp32_1/pageview/pageview.html#page_num=38


これは行くしなかいと思い、
夫を誘って見てきました。去年の秋ごろだったかな。

そこで見学したことが深く印象に残っています。
(そのわりには、ブログに記録してないみたい 笑)
いやー、すごかったんですよ、そして美しかった。

その思い出が甦り、観光パンフレットを読みはじめました。
それを残しておきたくなったので、ご紹介します。(長いですよ)

たたら、という言葉の向こう側に広がる森と人の営みに感じるところがございまして。
ぜひみなさんにもお伝えしたくなった次第です。
広告物なので、転載しても問題はないかと(かえって喜ばれるかと)勝手に、載せます。

2回クリックすると読みやすいサイズになりますよ。

木は切り過ぎると下流で洪水。
伐りすぎと洪水はリンクしていることを
歴史は何度も教えてくれていますね。
奥出雲ではそこで、「知らぬ存ぜぬ」ではなく、
折り合いをつけたこと、
30年周期で植林して循環させたこと、
農業や産業にも寄与したこと。
(棚田とたたらが関係があったんですねー)
トリビアな読後感に包まれました。

今山に森があるのは、当たり前ではないことを
若い人たちにぜひ知って欲しいと願っています。

吉野林業でも同じで、
山がある限り食べていける仕組みを先人は作っていました。

どこから崩れたのでしょう?
あのへん、、、だと思います。

やはり、ほどほどがいい。ほどほどこそがいいのです。

社会はなんだかんだいってもお金で廻っています。
お金を生むには森林に介入するしかないのは
今も昔も同じ。
森林が荒れれば、災害が起こるのも、今も昔も同じです。
違うのは、「折り合い」でしょうか。

「折り合い」をつけた先人のメンタリティーを取り戻しましょう。

やくも号に揺られながら、このパンフレットを編集した人って
どんな人だったのかなー、どんなキモチで作ったのかなーと思いました。
シゴトとして割り切って作られたとしたら、すごいですね、広告制作会社の方って。。。
でもきっと、シゴトを通して、森の豊かさ、先人の営みに感動されたのではないでしょうか。
(勝手な想像)

わたしも、地域マガジンを作るにあたっては、
こんなふうに、心を動かせるような記事を送りだせたらいいなあ、、、と思いました。

あれ、話がそれてきました。

3枚目の画像の右下に、

「たたら」の直系といえる
日立金属安来工場で生産される安来鋼は、「YSSヤスギハガネ」のブランドで
カミソリ刃世界シェアトップ製品を生みだしています。

と、あります。

JR安来駅に隣接する工場の壁に、「日立金属・・・・」と書いてあったような。
おおお。「たたら」の直系も、ちらっと見えたわけですね(^^)

やっぱり、そうだ。

Googleマップさんから拝借した画像。レトロー。

話がそれたついでにですが、「たたら」とともに
石見銀山も、森を守ったことが世界遺産認定の理由となったのですよね。

ほんとに、昔の日本人はエライ。
この心を絶対に未来へ繋ぎたいと、切に思います。

大山がきれいに見えました。ラッキーです。

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