自然栽培に取り組むJAがあった。

2017年05月02日


自然栽培は農業を変えるか20170422houdoutokusyu 投稿者 gomizeromirai
報道特集 自然栽培は農業を変えるか20170422 

自然栽培とは、農薬や肥料を使わない方法のことを言います。
無農薬無施肥ですね。

社会全体をみれば、まだまだ少数。
それでも、少しずつ変わってきて、広まっているのかなあ、、、と
感じられたのが上記の動画です。

動画の中にも説明がありますが、有機栽培とは違います。
有機肥料(家畜の糞など)なら安心安全か?というと、効果がゆっくりなので与えすぎてしまい
これはこれで問題になることがあるようです。

この動画には、障がいのある人が働く場として稲作をしていたり、
(そのキーパーソンが元プロミュージシャンだったとは)
あの高原選手が率いるサッカーチームが自然栽培に取り組んでいたり
次々と興味を引かれる取材をしてくれていますが、、、、

一番インパクトを感じたのは
富山県羽咋市にあるJA羽咋さんでした。「はくい」と読みます。

人口減から将来は消滅するかも、という危機意識の中、
自然栽培で農に取り組みたい移住者を呼び込もうと
(ふだんは農薬や肥料を売っている)農協が動いているのです。

無料で5日間宿泊しながら体験できる施設を作るなど
羽咋市と一体となって自然栽培を推進しています。

それが、単に地域おこしということであれば
わたしも、そんなにびっくりしないのですが、、、、

このニュースに出てくるJAの人が
「何のためにやってるか、っていうのがないと」と、
わりと本気で、「お金もうけだけを考えるなら農である必要はない」しかし
「わたしたちは子どもたちに豊かな食と環境をつないでいくということを
関係者一同、理念としている」とおっしゃっていること。

この一言を言うときに、少し声のトーンが高くなっているのを聞いて
なんだか、、、本気を感じたんですよね。
この担当者さんにお子さんがおられたとしたら、
切実な思いを持っておられるかもしれないなと。

農薬や肥料の売り上げで発展しないといけないはずのJAさんが
このような理念で行政とともに
自然栽培にとりくんでいらっしゃるとは。

農薬も肥料も使わずに、農業ができるのか?
わたくしの知人の中には、自然派の人であっても
「家庭菜園ならできるけど、仕事としてやるのであれば
肥料を使わないと収量が少ない。
うちでは有機肥料だけは、使っている」
という人が多いです。

動画の最初にでてくる「自然栽培パーティー」さんは
「ごらんのとおり、慣行栽培と同じように育っています」と言いきっておられました。
また、羽咋市で7年前から自然栽培にとりくむ人は
収量は慣行栽培の半分程度と認めながらも
肥料を使うから虫がつく、虫がつくから農薬を使うというサイクルから抜け出し
「肥料をやらないから病気が少なくなった」と言います。
しかもJAがすべて高く買い取ってくれるからOKだと。
ベテラン農家さんの発言だけに、「肥料をやらないから病気が少なくなった」
という言葉には重みがあります。

慣行栽培でもなく、有機栽培でもなく、自然栽培。

これが日本に広まれば、、、、農地の微生物が再生し
日本の国土が豊かになる、、、と考えるのは早計とは思いますが
そんな希望が見えました。

野菜やお米の値段が、少し高くなってもいい、という覚悟をもたないといけないかなと思います。
毎日のことなので、少しでも安く買えたら、正直なところ、嬉しいです。
でも、もう少し高くなっても、「だからこそお米の一粒一粒を絶対に無駄にしないで食べるんだ!!」
というふうになるほうが、ずっといいと思う。
わたしたち日本人は、毎年できるお米と同じくらいの量を廃棄しているんだそうです。
こんな罰当たりな話はないですよね。
安いけど安全とはいえない食品と、富裕層だけが手にできる安全な食品しかない世の中になるのは望みません。
誰もが、安心安全な農産物を、あたりまえに食べられる世の中になってほしい。

自然栽培に、個人レベルでなくJAや行政が取り組む例は
まだほんの少しかもしれませんが
これからも、広まるといいなあ。

そして、ともかく、わたしは今日も心をこめて「いただきます」を言おう。

Next »