デンマークという国

2019年10月30日

スイスやドイツの森づくり、川づくりについては
日頃から関心がある方だと自認していますが
ドイツのお隣になるデンマークについてはよく知りませんでした。

ところが先日、デンマークからお越しの方からお話を伺う機会があり
デンマークは日本から見ると夢のようなことが現実としてあるのだと思いました。
もしかしたら、デンマークだけでなく、ヨーロッパ全体に言えることなのかもしれません。

そもそものところが日本とは違う、と言ってしまえばそれまでですけれど
戦後、アメリカのようになりたいと言わんばかりに走ってきた日本は、
そもそもの日本の良さまでかなぐり捨ててきたように思います。
自治の精神、自然と調和した暮らし、慈悲、誇り、聖なるものへの謙虚さ。。。。
それを取り戻すか、または、西洋を追うのなら今こそしっかり追いかけて、
人々が自分の意思で公を動かしたり、こうありたいという社会の仕組みを作ったり
しいいくことだと思います。

記憶を頼りにメモするので、ミスもあるかもしれません。
関心のある方は、自分で調べて確かめてみてください。

デンマークの面積は九州くらい、人口は540万人。ずいぶんゆったりしてますね。
山がほとんどなくて平べったい国です。
消費税25%の福祉国家。医療や教育にお金がかからなくて、幸福度が高い。

人間は、一人一人違って当たり前だし、人と違うことがイノベーションにつながることもあるのだから
「みんなと違う」からと言って、いじめられたり仲間ずれになることはないそうです。

小学校低学年までは「遊ぶのが勉強」。いわゆる学習が始まるのはその後だそうです。
遊びの中から多くを学ぶ子どもたち。今の都市部の子どもたちは、どれだけ遊んでいられるのでしょうか。
塾や習い事で忙しくないでしょうか。
それも、自然の中に身を置いて遊ぶチャンスはどれだけあるのかなー、ほぼ、ないんじゃないかなーと思います。

フォルケホイスコーレという学校があるのも、興味深く感じました。

森の幼稚園、という活動が奈良でも始まっていますが
世界的にみて、発祥はデンマークです。1954年に、デンマークで親グループが自主保育活動として。
それがドイツにも広まり、日本でも紹介されて、智頭町などが先進事例となり
奈良でも取り組みが見られるようになりました。
子どもたちは、自然の中で自分で気づき、遊び、学ぶ。森の幼稚園に取り組む人たちはそう言います。
森の幼稚園をしなくてもいいくらい、自然があちこちにあったらいいんですけどね。
自然が残っていること=田舎っぽい=バカにされる
という、不思議な先入観が、まだまだ残っています。大人に多いかもしれません。
今は逆だと思います。都市でありながら自然豊かであれば、世界が羨ましがるのです。

参考
幸福度世界一のデンマークの教育とは?
(前編)-非競争的な教育が根付き、QOL(生きることの質)を重視
(後編)-一人ひとりの思いや意志を尊重し、対話から民主主義を学ぶ

びっくりしたのは原発のこと。
デンマークでは1970年代に、4つの原発が作られる予定があったそうです。
それに対して環境団体から「反対運動!!!」、ではなくて、
「少し待ってもらえませんか。大事なことなので、もう少し調べたいのです」という意見があり、
待つことになりました。その間に、原発は危ないということが知られていき
国民の多くが「いらない」と思うようになったそうです。その後にチェルノブイリの事故が起こり、決定的に。
国は、国民の声に屈するという形になるよりは、自らの選択として原発をやめたそうです。
デンマークの投票率は80%ごえ。
国民が望まない政治家は、落ちますね。

このような話を聞いて、日本では政府がいかに国民から信じられていないことか、と思います。
私は日本で消費税が25%になったら、福祉国家になるとは、思えないのです。
集まった税金はどこへ消えていくのでしょうか、そちらの方が心配です。
または、消費税が上がる分だけ、みんな節約に生きるしか無くなるのではないでしょうか。
国民を思う決断は少なく、アメリカの命令には従うこと多く。
やはり独立した国とは言えないのだなあと思えるのでした。

国レベルの話になると、遠すぎて無力感が先に立ちますが
地域レベル、人間関係レベル、暮らしレベルに落とし込んでみたら
いろんな工夫の余地があると思うんです。

信頼を作り上げて、安心して暮らせるような。
自然という資産を生かして、グローバル経済への依存度を下げるような。

この日本でも、幸せは作れる!とか、
「日本て、幸せですよ、あなたもいかがですか?」とか、
そんな風になれたらいいなと思います。
(日本での思いやりや治安の良さなどが、外国の方から褒められたりする、今がラストチャンスでは)

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