材木がいーっぱい。吉野貯木まちあるき。

2013年12月02日

木質ペレットのことを妄想し始めてからというもの、森や木材のことが気になって仕方ありません。そんなとき、見つけたのがこの「第2回吉野貯木まちあるき」というイベント。M氏が、奈良クラブの試合日だというのに「こっちへいかなくちゃ」というので、「これは何か呼ばれているな」と思って、行ってきました。

吉野貯木まちあるきのチラシ。サイズはB3で、裏面はマップとコース案内になっていました

イベント案内サイトはこちら

参加費無料・予約不要・各部ガイド付き、ですよ。もったいないくらい。

わたしたちは第2部への参加希望、交流会へは参加しませんでしたので、正真正銘無料で楽しませていただきました。

ちなみに、第1回のときも情報はキャッチしていました。吉野材を使った暮らしの道具デザインコンペとのからみで行われていました。デザインコンペの「リ・デザイン部門」では、友人のめぐちゃん(セレクトショップ恵古箱オーナー)が審査員をしていたので、お店でチラシを見つけました。まちあるきを主催されているのは「吉野と暮らす会事務局」(吉野林材振興協議会)さん。と、オフィシャルな呼びかたをするとそうなりますが、わたしはかえって、地域おこし協力隊の加藤さんが中心になって企画されましたと、うかがったほうがピンときます。誰かが起案し、誰かが集まり、ものごとが起こっていくんですもの。

第2部は、吉野神宮駅前で集合でした。わたしたちだけ?と、思っていたら1部から継続参回の方たちがランチを終えて集まってこられました。加藤さんとも、ここでごあいさつ。(Oさんのお友だちって、この方ですね)

駅の裏手、吉野川の方向に降りていくと、びっくり仰天の別世界。さっきまで、吉野神宮〜古のカオリ漂う観光の拠点という雰囲気だったのに、たちまち、キャッチコピーにあるとおり「まちがひとつの製材工場!」の現場へと様変わり。

材木、材木、材木です。こんなにたくさんの材木と一度に見られるだけでも、圧倒されます。先日、奈良県の林業は全国的にみて下位のほうに沈んでいると、耳にしたばかりです。そんなことは想像しにくいエリアでした。

こんなふうに通りのあちらこちらに材木!


材木、材木、材木。

それでは、簡単に2部のコースをおさらいしましょう。

【阪口製材所さん】吉野材をふんだんに使用のモデルルーム。和のタイプ&モダンなタイプがありました。

こちらはモダンタイプ。阪口さんの思いに共感されている建築士さん、工務店さん、建具屋さん等専門業者さんのネットワーク「ひととき(人と木)ネット」で連携されているそうです。

【丸商店さん】吉野材のiPhoneケースをお作りになってます。削りだしの工程を見せてくださいました。

コンピューター制御された機械で、正確に削った木を、さらに手作業で仕上げ。iPhoneのサイズやカタチが少々変化しても対応できます。ただいま生産が追いついていないとのこと。本業は集成材製造です。

【坪岡林業さん】聖山というブランドをたちあげ、木のある佇まいを提案されています。素敵な空間でした。

ここで、静かにゆっくりお話をうかがいながらいただいたお茶の、美味しかったこと。プレートはお土産にくださいましたよ!大事にシマス。


工場の2階を自ら改装して、聖山を感じてもらうための空間スペースに。「モノがすでに有り余っている時代に、モノを作ることでしか成り立たない仕事をしています」「だったら好きなものを、好きと感じてくれる人に届けたい」「“なんかわからんけど”、好き」と感じてくれる人に支えられたい」と、坪内さん。

【吉野中央木材さん】ダイナミックな製材の工程を見せてくださいました。

製材の瞬間!


材木と、スタッフさんのスケール感が、わかります? 1本の丸太が、柱になるまでを見ました。ずっしり重い含水率の高い材木。これからさらに乾燥させた後、規定のサイズに仕上げられます。切り落とした部分も、フローリング材になるなど、すべて用途があります。


のこぎりの刃を調整する部屋。レトロで、素敵で、撮影なんかにも使わせてもらえないでしょうか、というほどの雰囲気がありました。

こうした見学スポット以外にも、わたしがわーわーと喜んだのは、昭和的建物の数々。観光目的で歩いていい場所ではないと思いますが、まちあるきの機会がありましたら、木造の建物が好きな人には、わくわくゾーンだと思います。

こんなところとか。


こんな引き戸が、昔の(建て替える前の)我が実家にありました。懐かしい。


白と茶のツートンもいいな。

2部だけでも、充分楽しかったので、1部から3部、そして交流会まで参加された方は、さぞかしティープな一日を堪能されたことでしょう。

奈良市内に住んでいると、吉野林業は「聞こえてくるけど、よく知らない」ままで終わってしまいます。今回、こうして現場に触れさせていただいて、とても有り難かったです。うちは、吉野の木材をふんだんに使った家には、たぶん一生縁がないかもしれません。でも、吉野の森が作ってくれた水は、市街地に繋がっています。その水で作られるお米もあります。直接的でなくとも、吉野の恩恵を、誰もが受けています。吉野はほとんどが人工林。昔から森とともに生きてきた人々に守られ続けて今があります。一度手を加えたら、ずっと加え続けなければ、森も死んでしまうといいます。森がいつまでも元気であるため、わたしたちが美味しい水に恵まれるため、気持ちのいい木の家がもっと増えるため、受け継がれた林業の技術が継承されるため、… 一人の生活者としても吉野にもっと親しんでいきたいと思いました。

今回出会ったみなさんに感謝です。

なお、俚志を通じて出会った、まちおこし地域協力隊員の吉村さんに再会しました。第3回まちあるきでも会えるかな?楽しみです。

ここでお知らせ。
今、吉野貯木のガイドブック「ちょブック」+貯木マップが制作中とのことです。発刊予定は2014年3月。それにあわせて3月29日(土)に「第3回吉野貯木まちあるき」が開催されます。奈良県立図書館では、発刊に合わせてイベントも行われるとか。
まちあるき、ちょブックのゲット、図書館のイベント、興味のあるかたは、チェックです。