住宅地のとなりにある森

2015年06月15日

市街地があり、住宅地があり、農地があり、山があります。

山は誰のものでしょう?
実は、所有者がいらっしゃるんですね。
でも、ふつうは意識していませんよね。

奈良には「5代林業家」と呼ばれる方がいらっしゃいます。
あの村の山も、この村の山も実はこの方がたの所有、だったりするわけです。

その一つが谷林業さん。
先日直接お話しできる機会をいただきました。
夫もいっしょでしたので、こんな会話が。
「今ぷろぼのでは東吉野でよもぎの栽培を始めてるんですよー」
「あ、それうちの近くかも」
こんな感じです。

そういう大規模な山林所有者の方がどんなことを
お考えになっているのか
知ってみたいなあと、いつも思っていました。

もちろん調べて分かることは調べたりします。
中でも清光林業さんの作業道づくりの取り組みには
敬意を感じています。
でも、このたび直接、社長さんの思いをお聞きできたことは
ほんとうに、これはもう、何か意味があるとさえ思いました。

場所は、陽楽の森という、住宅地のとなりにある谷林業所有地にて。
長年にわたり放置されていた森を
今では人が遊びにこれるほど親しみやすい場所に変えて
イベントなどもされています。
それが昨年訪ねた「チャイムの鳴る森」だったわけです。
その時、谷さんにもごあいさつできました。
主に夫が。(わたしは?たぶん存在感がなかったかもです ははは)

そこにどんな思いがあったのか、
やはりゆっくりとお話をうかがうことで初めて
わかることがたくさんありました。

ベーシックなところで
わたしが20年以上も一人でうじうじイメージしてきたことと
今、若き後継者がチャレンジしようとされていることが
いろいろと重なっていることが嬉しかった。
きっと共感してもらえる人がたくさんいると思いますし、
(共感されない方も同時にたくさんいるとも思いますが)
何か協力させていただきたいという気持ちになりました。

そんなとき、自分の足をひっぱりそうになる考えが
浮かびかけます。
「わたしは無力だから、何もできないのでは・・・」

そんなことはないはず。

「この森に、例えば、ただ遊びにくるだけの人は無力だと思いますか」
と、聞いてみました。

「無力ではないんです。谷林業の社員は誰もいない山奥で
誰にも知られず、命のかかった危険な仕事を日々やっています。
ここでは、(デモンストレーションをすると)みんなから拍手が沸き起こる。
林業の価値をたくさんの人に知ってもらいたい。
必ずしも林業従事者としてでなくても、
もしかしたら未来のユーザーになってもらえるかもしれないし、
いつかどこかで応援してくれるかもしれません。
だから、無力ということは、ないんです」

林業に直接かかわりがなくても、できることを見つけていけるのが
この「住宅地のとなりにある森」なのだと思いました。

美しい、美しい森です。
さらにちゃくちゃくと整備が進んでいます。

機会がありましたら、ぜひ訪れてみてください。

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