自転車に乗って出かけたのはお寺や神社だった。
「創造的なアイデアは散歩中によく生まれる」と、
たしか外山滋比古さんのエッセイにあったのを真に受けて
10代のころはよく散歩しました。歩くのがめんどうなときは、自転車で。
初夏や秋などの晴天の日は、出かけずにはいられませんでした。
なんとなく足が向いてしまうのはお寺や神社。
なぜなら、そこには大きな木があったから。
どうやら、大きな木が好きだったようです。
下から見上げると、枝が四方に伸びていて、その向こうに空がありました。
空を見ながら部活動やテストや、気になる男の子のことを考えていました。
当時はそれなりに悩ましかったはずですが
今は気持ちの良さだけが残っています。
今も空想の中では、木の下にいる気持ちの良さに戻ることができます。
そこへ逃げ込んだり、そこで癒されたりしています。