耕さないのに、なぜ畑がふかふかするのか。自分たちにもできるのか。

2021年07月29日

畑をするからには、耕すのが当たりまえだと思っていました。
ある程度の面積(10メートル四方くらい?)以上になると、手作業で耕すのはなかなか大変になってきます。
耕運機のありがたみがわかりました。
力強く、あっという間に、深く土をかき混ぜてくれます。
自分たちで購入するには高価すぎる機械ですが、幸いなことに借りて使うことができていました。

 

いつかは小型のものを購入したくなる日が来るのかな?

 

とも思っていました。
 

けれども、今はそう考えていません。
耕すということが、実は土にとってはかえって良くないのでは?とわかってきたから。
 

ただし、耕す必要が全くないでもない。
手元の自然栽培の本には、「化学肥料や農薬を使ってきた畑では、土にテコ入れする」とあります。
畝たてをする際に、堆肥や有機物を土にまぜるのです。これを耕すと言っても差し支えないでしょう。
わたしたちも昨年、耕運機のお世話になり、とても助かりました。
けれど、この畝を壊さずに連続して使うことにしたので、これからはスコップとクワで間に合いそうです。
 

耕運機で耕さないかわりに、何かをする必要があります。
 

それが雑草による土づくり。
草マルチを何度も繰り返すことにより、草が土に変化していき、菌の働きとともに団粒化していくそうです。
本当でしょうか。やってみるしか、わかりません。
今年は刈り取った草を集めて畝に敷いています。
別の場所では、畝に草を乗せてビニールマルチをかぶせ、糸状菌という白い糸ができるのか試しています。
生ごみコンポストは、生ごみを土に還すところまでは可能になりましたが、堆肥化はまだ試していません。やってみたい。
また別の場所では、野ざらしで草堆肥づくりも試しています。草堆肥は、囲いを作って雨避けすればなおいいらしいのですが、
雨ざらしで堆肥を作っている人もいるので、うちでも真似してみることに。囲い込み雨避け型よりも、時間をかければいいみたい。
もし、いい感じになったとしたら、これは誰でも試せる朗報です。
 

初めて畝を作るときは、
畝の土の中にある雑草の根はざくざく切っておく必要がありますし、
畝を作るにはスコップで掘って土を上げる必要がある。
土が硬い場合は、完熟堆肥や腐葉土などを漉き込む必要もある。
ほったらかしにしたり、さぼったりするのではなくて、必要な世話をしてあげなくてはなりません。
自分たちの畑には何が必要なのか。何が必要でないのか。
その加減が、まだまだ、よくわかっていません。
だから、難しく考えずぎず、とにかく経験してみることだと思っています。
 

秋に何か植える予定の畝には今草が載せてあります。
こうして1ヶ月以上なじませたら、タネまきや植え付けをしてもいいらしい。
(その間、虫や微生物のすみかになるらしい)
この畝で、無事に野菜が育つか、、、年末にはわかるでしょう。
 

ふかふかの土は、インスタントには作れないはず。
もともと田んぼだったためか、乾燥するとカチカチになります。
毎日の草刈りと、草敷きを繰り返すことで
何か変化が感じられるようになるでしょうか?
 

今感じているのは、草マルチをすると、たしかに雑草は生えにくくなります。
ビニールマルチを使いたくないので、これは嬉しい。
もうひとつは、草マルチの下で土がしっとりしてくれること。
乾燥する季節には、保湿になるし、
寒い季節には保温になりそうです。
(冬は雑草がなくなるから、どうしよう?わらや籾殻?どうやって手にいれよう?)
 

耕してしまうと、土の中にできた菌のネットワークが壊れてリセットされてしまうそうです。
それはもったいない。
 

リセットするから、菌が弱る。それを補うために肥料を入れるんですね。
 

そもそも、菌と肥料では、野菜が栄養を取り込むしくみが違うということがわかってきました。
菌は、土の中でミネラルなどを取り込み、植物の根が吸収しやすい方にして与えてくれる。
植物は光合成して、菌に栄養を与えてくれる。
お互いに共生関係にあるそうです。
ここで、肥料があると野菜は菌ではなく、水に溶けた肥料分から直接栄養を吸って育つらしいんですね。
じゃあ、菌との共生関係が成立しなくなる。
つまり土から菌が減る?消える?
しかも与えた肥料は、余ることもあり、環境に排出されていく。
有機肥料といえども、排水されることで水の富栄養化に影響はないのかしら。
そこまで配慮して肥料を扱うことはかえって難しい。。。
そうなると、失敗したとしても「収穫が減る程度」ですむ栽培方法を身に付けたくなるのです。
なるべく、自然のちからとしくみを活かした方法。。。
 

土のふかふか、つまり団粒構造は、菌が作っています。
菌が土を分解して腐植と呼ばれるものになる。
腐植(➖)には土(➕)が電気的に吸い付いて粒になる。
粒と粒は➕同士なので吸い付かない。そこに隙間ができる。だから、ふかふかする。
ざっくり、そういう理屈らしいです。
菌の力を十分に発揮させてあげられる土になるか?
そこがポイントだと理解しています。
 

菌については、絶賛習得中ですが、まだまだ知識が断片的で、自分たちにとって
いちばんいいやり方は見つかっておらず、
試してみたいことがいくつかあります。
草堆肥もその一つですが、米ぬかや菜種カス、炭や籾殻くんたん、ストチュー液など
「良さそう」と感じているものたちを、有効にいかすにはどんなふうにするのがいいのか?
逆効果はあるのか?
仕入れた知識がバラバラに宙を舞っています。
ひととおり試してはみましたが、何かどういいのか、悪いのか、わかりません。
これから整理していきたいです。何年か、かかるんだろうな。
 

より多くの収穫を狙っているのではありません。
わたしたちの実力に合った、畑が与えてくれるだけの収穫を。
便利に合理的に作りたいのでもありません。
菌の働き、土のいとなみ、雑草のしごとを知り、
虫に怒ってみたり、かえるやミミズが可愛く見えたり、
それらのひとつひとつを感じたい。
畑と遊びたいし、学びたい。そして美味しく食べたい。
それが目的です。
 

7月も、もうすぐ終わり。
暑さは厳しいですが、秋に備える季節が始まります。
 

今までの考え方だったら、夏野菜が終わると片付けて(引きぬいて)、
耕運機をかけてリセットし、鶏糞やぼかしを漉き込むところです。
けれど、今年は、リセットしない方法を試したい。
連作障害を防ぎ、土を元気に保つ方法があるようです。
試してみたいです。
 

実際の畑では、本の通りにはいかないところがどうしてもあります。
勝手に自分流でやってしまうと、失敗するかもしれません。
ですけど、ある程度自分なりにやってみないと、腑におちません。
やはり、なんでも経験と思って、やってみるしかないかな!
 

憧れの畑活
土の露出が少なく、全体に緑におおわれた畑。庭に近い居心地を作りたい。
農薬や化学肥料はもちろんのこと、有機肥料であってもできるだけ使わない。
雑草や生ごみなど、必然的に発生するものを中心に還元して土を元気にしたい。
ハーブや花も育てたい。
菌によって栄養をとった野菜は害虫がつかないと言われているので実現させたい。
自然栽培上手になって、必要十分な収穫を得たい。
友達を招いて、料理でもてなしたい。
将来は、ビギナーズの相談にのれるようになりたい。
 

遠大な未来像
誰もが自然栽培スキルを持っていて、なんらかの自分の食べ物を自給している。
耕作放棄地は、自然栽培家庭菜園に生まれ変わり、地域の環境が守られる。むしろ良くなる。
畑活をとおして、自然のルールを体感的に理解することで、山や川や土への理解が進む。
結果的に地域レベルで食料自給率がアップする。
「食べることはできる」という安心感が人の心に余裕を与える。(機嫌のいい人が増えて社会の雰囲気がよくなる)
助け合えばなんとかなるという安心感も生まれる。
 

畑活には夢があると思います。

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