バイオマス発電 もやもや・・・

2016年01月22日

バイオマス発電所が全国に急増しているとのことです。

日本は戦後に造林された木が育ってきているので
利用されなくてはならない。。。。
というのは、よく耳にします。

そういう背景から増えているのでしょうか。

でも・・・

なんだろう、このもやもや感は。

と思っていたら、こんな記事。
急増!バイオマス発電~資源争奪戦の行方~
(NHKクローズアップ現代 これまでの放送より)
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3617_all.html

原料の調達が難しいそうです。

国が決めた基準となるモデルが大規模施設で設定されていることがベースにあるような。

国は、再生エネルギーの買い取り制度を決める際、基準となるモデルを5,000キロワットの大規模施設で設定しました。
そのため、大規模な発電所が全体の8割を占め、原料を調達する体制が追いついていないと見ています。

バイオマスエナジー東海 藤村重樹さん
「材料は集まるという予定だったんですが、実際出てくる量というのがまだまだ見えてないところがあります。
いま岐阜県でやっとこの1基が十分に動かせるか動かせないかという状況にはあると思っています。」

富士通総研 上席主任研究員 梶山恵司さん
「あくまでも計算で、これで採算が取れるということで始めたわけです。
太陽光とか風力と異なって、バイオマスの場合は燃料の調達と一体となって進めないかぎり無理。
燃料需要が高まったからといってどんどん伐採されることがあっては、本末転倒になりかねない。」

そして、ここでもドイツの例が・・・

日本と同じ課題に直面しそれを乗り越えてきたのが、バイオマスエネルギーの先進国、ドイツです。

債務整理をする弁護士 クリスチアン・グラフ・ブロックドーフさん
「大規模な発電所が乱立し、原料を輸入しなければならないくらい調達が難しくなりました。
それを予測できず最悪の事態に陥ったのです。」

そこでドイツでは、2004年に再生エネルギーの制度を改定。
まず買い取りの基本価格を、規模の小さい発電所に、より高く設定し直しました。
さらに小規模な施設で熱エネルギーの利用などを進めた場合、ボーナスを加算する制度を導入。
大規模発電を抑制する施策を取ったのです。

調達が難しいというのは
「木はドイツよりも日本のほうがあるけれども
道がなく運び出すのが困難」という課題があるほか、(※)
発電のために伐採するのは、貴重な資源の乱獲につながり
山が丸裸になる恐れがあるため、
木る、植える、付加価値の高い活用をした後に
最後にゴミになったものを発電に使う
というしくみが必要とのことです。

しかし、この記事の最後は、こう結ばれています。

●日本では大規模な発電所の計画が多いが、ドイツの例を見るとリスクは高いのでは?

これ、もう大きくなればなるほど、リスク大きくなるんですよ。
なぜかと言うと、たくさんのバイオマスを集めなきゃいけない。
それからまた発電をやったら、その廃熱も利用しないともう成り立たないんですよ。
両方規模が大きくなっちゃったら、その両方の条件を満たすのは非常に難しくなるんです。
(制度設計をひとつ見直す必要がある?)
あるかもしれません。

制度設計を見直したほうがいい、というお話でした。。。。

山が裸になると、林業関係者だけでなく
住民みんなに関わってくる話ですので
多くの方が関心をもっていただければと思います。

※ 木を伐る
ただ伐ればいいというのでなく、「いい山」にするというビジョンをもった伐採と
それによって林業がなりたつ経済的循環が必要と、
わたしの知人は、熱く語ります・・・。
いい山とは、おそらく、山=資源や素材を調達するだけのものでなく、
さまざまな生態系サービスが保持される山のことをさしているのだと思います。

※ ゴミとなる木
建設工事で発生する伐採木は産業廃棄物です。
これもさまざまに活用されています。
その中からバイオマス資源となるものも出てきます。