サッカーの文化って、面白いですね。

2013年10月25日

先日、奈良クラブのトップチームの選手である岡山一成氏の講演会が行われました。
http://naraclub.jp/wp-content/uploads/2013/10/20131023okayama0001.jpg
一般社団法人全日本子どもスポーツ連盟主催
2013年10月23日(水)大阪市内にて

そこへ参加されたSさんからのレポートがこちら。(Sさん、載せちゃった)

野球ファンとサッカーのサポーターはチームのスポンサーに対するロイヤリティが全く違うんだとか。サッポロの事例でわかりやすかった。日ハムファンは、アサヒビールもキリンビールも飲むが、コンサドーレサポはサッポロビールしか飲まない。それだけでなく、アウェーチームサポも相手チームのスポンサーをリスペクトし、スポンサーのホテル・飲食店を調べ優先利用するという。
もちろん皆が皆ではないだろうけど、すごく共感できるものはあるなあ。
この視点は、今後のスポンサー集めのアプローチやマーケティングに生かせるな!

この、サッカーサポーターの、「超ごひいき感覚」って、面白いなあ!と。

これって、サッカーならではの現象なのでしょうか。他のスポーツにもこういうことってあるのでしょうか。まず、プロスポーツとして地域を巻き込むほどというものが、思い当たりません(寡聞のためかもしれませんが、すみません)。戦後以来、日本人を盛り上げ続けた野球は、企業がメインでした。今でこそ、プロ野球チームもチーム名に地域を盛り込んでいますが、これはたぶん、サッカーが流行した時代に野球離れが起こったので、危機感をもって、サッカーの真似をした…と、耳にしたことがあるような。
やはり「Jリーグ100年構想」というJリーグ発足時でのコンセプトがすごかったと思います。当時は、今ほど「地域、地域」という時代ではありませんでした。その時すでに「サッカーを通じて、地域が盛り上がる。大人も子どもも、おじいちゃん、おばあちゃんもスタジアムにやってきて楽しみ、スポーツを通じて生涯楽しく健康に過ごせるようにする」というふうなことをチェアマンの方がおっしゃっていました。(それが100年構想のこととは知らずに聞いていたわけですが。当時は阪神タイガースの心配をしていました!)

よく「サッカーで町を元気に」と言いますが、なぜサッカーが地域を元気にでき得るのか?という理由のひとつに、このように、サッカーを応援する人たちには、サポーター企業を応援する(自分の愛するクラブを支援してくれいる企業を、応援する)という「超ごひいき感覚」があるのですね。
それも、ちょっとイケイケ感覚で、楽しんでしまうような陽気な風土を感じます。同時に、アウエー戦の応援に行ったときでも、ホームチームのスポンサー企業までごひいきにするのだそうですよ。面白いですよね。わたしたちが、よそへ行ったとき「ようこそ、奈良クラブサポーターのみなさん、お食事はこちらへ!」なんて書いてあったら、「行っとこか?」と思うと思います(笑)
地元チームにかかわる企業と、行政と、住民がサッカーという共通項を通じて楽しさや、経済効果を盛り上げていける可能性があるのです。これがきっかけとなって、他のスポーツにも波及したり、スポーツ以外のものにまで広げていくことによって、サッカーから始まる地域力が町を元気にすることに繋がっていくのではないでしょうか。そのために、独特な「超ごひいき感覚」文化をもつサッカーが、地域を元気にする牽引力になれればと思います。まあ、自分が縁のあったところが奈良クラブなので、奈良クラブばかり応援していますが、バスケットであれ、野球であれ、スポーツを応援することで人が繋がっていけるのは素晴らしいと思っています。

なぜか、わたしは子どもの頃に見た「町民体育会」を連想してしまいます。同じ町民とはいえ、隣近所でなければそれほどつきあいがあるとは限りません。それが町民体育会で同じチームになると、あいさつしかしたことのない気難しそうなオジサンが実はすごく世話好きな人だったとわかったり、意外な人が俊足だったりして、夢中で応援してしまいます。たとえスポーツが苦手でも、子どもでも、応援というカタチで関わることができて、よその町の人たちのことも知ることができました。「同じ町内だから」というだけで、応援が面白くなるのが町民体育会でした。

そういう感覚を「奈良のサッカーチーム」に感じているのかもしれません。「同じ奈良なんだから。あなたはよその人ではないよ。いっしょに奈良クラブを応援しようよ」と。
たとえ、大阪から引っ越してきた人でも、たとえ出身地が奈良でなくても、たとえ奈良生まれ奈良育ちで県外に出勤している人でも、たとえスポーツが苦手でも、奈良クラブを応援することでつながっていけます。競技場は広くて、何人集まってもとうぶん大丈夫。地域リーグの今なら入場も無料。チケットを押さえる心配も必要ありません。
奈良クラブとしては「どうぞ、どうぞ」なのです。プロ化を目指しているから、お客さんを大切に思ってくれます。

奈良クラブが、「地域を元気に」というコンセプトを地でいくチームへ育っていってくれるよう、楽しみにしながら応援しています。