うつ病のない人々。

2013年10月26日

数日前にNHKスペシャルで「病の起源 第3集 〜望遠保蘊奥がもたらす宿命〜」という番組が放映されました。

この一部をちらりと、見ていました。

アフリカ、タンザニアの先住民族にはうつ病と無縁の人々がいるということが報告されていました。
なぜ?  キーワードは平等なのだそうです。

明日のことは明日にならないととわからない。
寝床に入ったらすぐ寝る。
自分に自信を持っているにきまっている。

テストの結果、こういう人たちでした。(あれ、これって、うちのM氏そのものではないか)
まったくと言っていいほど、うつの兆しがなかったのです。

人類が狩を始めたのは40万年前。
彼らは今でも狩をして生きています。狩のためには、協力や結束が必須で、
そのために獲物は平等にわかちあうのでした。
映像では、鹿のような獲物を囲み、さばき、切り分けて
仲間のだれにでも分け与えていました。

メソポタミア文明の頃、農耕を中心とした社会に変わると、
持つもの持たざるものの格差が生まれ、平等は崩れました。
競争、ねたみ、孤独、これらが脳(扁桃体)を刺激し、うつになる。
人間は損をするときは扁桃体が活動するけど、平等のときはおとなしいのだそうです。
また、興味深いことに
自分で判断する専門的な職業よりも、上司からの命令で動く営業などのほうが
うつが多い。

そして、これらをヒントに
●運動すると、神経細胞を再生する
●規則正しい生活がストレスホルモンを正常にする
●地域活動に参加する
などを取り入れた療法が効果を発揮している例が紹介されていました。

ということは、競争、ねたみ、孤独を減らしつつ
運動、生活リズム、仲間づくりをしていくと、
明るく楽しく生きていけることになるのでしょう。

ねたまない、孤独を防ぐ、運動する、などは個人の意志で
どうにかなりそうですが
競争というのは、社会の構造とも関わっていますよね。

平等はつまらない、と思う人もいるでしょう。
頑張っても、頑張らなくても、何も評価されないのであれば人は無気力になっていくと。
(体育会の掛けっこで、一等賞のないやり方って、わたしも疑問があります)
競争が、やる気を刺激するということはあると思います。

でも競争にさらされて、うつが増えている面もありますよね。

競争はゲーム(試合)の中で行われるもので、
ゲームにはルールがあり、ゲームが終わればノーサイドですよね。
金メダル、1等賞、自分だけの栄誉。それは素晴らしい。充分称賛すべきこと。
でも、ゲームの範囲内のことです。
ゲームは遊びの意味もあるから、(チャレンジや達成という要素も含めて)あくまでも
どこかで楽しんでいるからやることであって
うつになるほどの苦しみしかもたらなさいのなら、
ゲームから降りるほうがいい、ということもあると思います。

難しい。イージーに退避しよう、という意味ではないのですが。

競争がなくなって欲しいと望むのなくて、競争へのスタンスを
自分でバランスをとる、ってことかな。

それにしても、あのアフリカの人たちの気質。

明日のことは明日にならないととわからない。
寝床に入ったらすぐ寝る。
自分に自信を持っているにきまっている。

これは覚えておきたいと思います。
沖縄の言葉で「なんくるないさ〜」というのがありますよね。
あれも、なんともいえない癒し効果を感じますよね。

明るい。

何かとストレスフルな時代だからこそ、
あの「うつ病のない人々」にならって、
自分の内側から明るく行こう、と思いました。

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