風の草刈り
先日、宇陀にある報恩寺さんの環境整備を見学にいってきました。
自然に倣う方法で、大地を生き生きとさせるそうです。
ポイントは水脈と土の呼吸です。
その中で、ひとつ、印象に残ったことが「風の草刈り」と呼ばれるやり方。
ネーミングがきれいですね。風邪じゃなくて、風ですよ。
雑草って、とかく悪者扱いされがちですよね。
農地でも、雑草があると近隣のみなさんから「怠けている」と判断されるそうです。
雑草のない状態=いい状態。
うちの近所の公園も、そうです。
しかし、ここのやり方は違っていました。
風が吹いたとき、草がそよぐ位置から上だけを刈るのだそうです。
それも、刃のついた刈り払い機ではなく、ロープがくるくる回るタイプのもので刈るのがいいそう。
風で切ることになるから。
草は、「これ以上伸びると風にやられるな」と感じて、あまり伸びなくなるのだとか。
それに対して、根こそぎ引き抜いたりすると、「やばい、もっと育たなくては!!!」という
スイッチがはいり、どんどん伸びようとするそうです。
風の草刈りをした場所を見せてもらいました。
低い草が土を覆っていますが
たしかに背の高い草は少ないのです。
面白いものだなあと思いました。
自然って、対抗するとどこまでも戦わなくてはならず
共存しようとすると人間にとっても楽になるものなのですね、きっと。
ウイルスと抗生物質の戦いもエンドレスだといいますね。
必ず薬に勝つウイルスが生まれてしまうから。
だったら、ウイルスを撲滅しようとしないで人間の免疫力をアップさせたほうがいいですね。
あ、そういえば、自信がなくて不安な人のほうが人に威圧的になるともいいます。
「やばい、がんばらなくては!」ということなのでしょうか。
風の吹く位置から上を手放してしまうと、ゆうゆうと生きていられるってことかな。
この環境整備は「大地の再生」と呼ばれています。
さとびごころでも、ほんの少しでしたが 一度紹介したことがあります。
(Kさん、その節はすばらしい原稿をどうもありがとうございました)
大地の再生、、、まだまだ、マイナーな手法かもしれませんが、こういう整備がもっと広がるといいなあと思います。
庭だけでなく、森や公園や、、、人間が手をかけることで
自然が壊れるのでなく、生き生きするとしたら、素晴らしいなあ。
報恩寺さんのサイトhttp://houonji.net/