何をしたらいいの?からの3年。

2014年12月15日

毎年全国的に増えている各地の「地域おこし協力隊」。
2009(平成21)年度89人から始まり、2013(平成25)年度では978人になっています。

参考 総務省HPより

○地方自治体(過疎、山村、離島、半島等の地域)が、都市住民を受け入れ委嘱。地域おこし活動の支援や農林漁業の応援、住民の生活支援など「地域協力活動」に 従事してもらい、あわせてその定住・定着を図りながら、地域の活性化に貢献。
○総務省による支援 ・ 財政支援(特別交付税) 隊員1人につき400万円上限(=報酬等(上限200万円)+活動費(上限200万円))、
:対象経費=隊員の「活動」に要する経費、隊員の「定住」「起業」「就農」等の支援に要する経費 自治体1団体あたり200万円上限
:募集に係る経費 ・ その他 隊員の募集や研修、マネジメント等の面で地方自治体をサポート
○期間 概ね1年以上最長3年 *3年を超える場合は特別交付税による支援は受けられないが活動継続は可能 ○隊員数 617名(平成24年特別交付税ベース)207自治体(3府県・204市町村)
http://www.soumu.go.jp/main_content/000213563.pdf

わたしがこの制度を知ったのは2012年。
俚志(さとびごころ)という超ミニコミの編集に関わっている関係で
編集長がその年11月に企画した交流会の場で、1期生の協力隊員Yさんと出合いました。

そのYさんたちが3年の満期を迎えようとする今、
山都物語さんの主催により、活動報告会をされたのです。
(山都物語さん=奈良の東南部を支援するLLPとのことです)

 

2014(平成26)年12月14日 @吉野町中央公民館
「奈良県下の地域おこし協力隊・ふるさと復興協力隊による報告会による報告会」
主催 山都物語有限責任事業組合 協力 地域研究会「俚志」・一般社団法人地域づくり支援機構

 

 

基調講演の講師として
半農半Xでおなじみの塩見直紀さんがいらっしゃいました。
このあと、
この3年間に、地域おこし協力隊を誘致したい自治体は、どんなことに気をつけたらいいのか、
あるいは、応募する側も、どんな意思をもっている人が向いているのか、
だんだんと見えてきたように思われますが
初年度というと、何もかもが手探りだったと思います。

ある例では「雇用関係ではなかった」とのことです。
仕事を辞して移住してきた人が「雇用されていない」となったときの
戸惑い、驚き、いかばかりであったでしょう。

また「地域おこし」「協力」という、ふわっとした言葉から
どんなふうにも受け取れるぶん、
「地域おこし協力隊って何なの?」ということについて
かかわる人の合意が形成されにくいということもあったそうです。
受け入れる自治体も、地元の人も、移住してきた人たちにとっても…。

最近では
「3年の任期後は定住して、起業してほしい。」という自治体のもとへ
「田舎で民宿を開き、移住支援をしたい」という若者が応募する、
というふうにマッチングも生まれているようにお見受けします。

報告会で発表された方たちからは
手探りの中から、自分(たち)に求められているのは何なのか
自分(たち)にできることとは何なのか
を探し、試み、時に挫折し、継続した体験談を聞くことができました。
初期の協力隊員のみなさんの経験から生まれた気づきや改善点が
これからに活かされたらいいなと思います。

 

 

田舎か?都会か?
どちらかを迫るというのは、誰にとっても、
どうにも無理があるように思えるのです。
道路やトンネルが建設され、インターネットが普及し、
田舎と都会は、昔よりずっと繋がりやすくなっています。
こんな時代だからこそできること。
都会にないものを田舎から発信したり届けたりしてほしいし、
それによって都会との縁も保持してほしい。
逆に、田舎では苦手な部分(わたしは企画力やデザイン力ではないかと思うのですが)を
移住者ならではの感性で注入してほしいな、
というふうに思います。

それも … あえて過疎地への移住を選択するような人だからこその … 優しい感性で。

わたしも地域おこし協力隊のいる町や村には注目し、
おもしろそうなことやってるな〜と思ったら
できるだけ出かけるようにしています。
何かを売っているなら、買ってみる、
イベントするなら、参加してみる、
何か伝えようとしているなら耳を傾けてみたい。
当該の自治体と、協力隊だけではできない部分があると思います。
わたし(たち)のような「周囲の人間」が担える部分があるんじゃないかな。

ちなみに、塩見さんは、やわらか〜な話し方の
やさしそう〜な人でした!
こちらは別枠で書きます。

ちなみに、その2
俚志では「特集 地域おこし協力隊活躍中」を掲載しています。
http://satobi-gokoro.net/publish/tokusyu/2014-19.html

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